PM2.5環境基準の設定について4 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・今後のPM2.5低減対策に向けて

2009年9月のPM2.5環境基準の設定に伴う課題として、次の[1]~[4]の課題が挙げられている。


[1]大気汚染の状況を的確に把握するための監視測定体制の整備の促進と、体系的な成分分析が必要
[2]固定発生源や移動発生源に対するこれまでの粒子状物質全体の削減対策の着実な推進
[3]微小粒子状物質や原因物質の排出状況の把握、排出インベントリーの作成、大気中の挙動や二次生成機構の解明
[4]近隣諸国等との間での大気汚染メカニズム等に係る共通理解の促進と汚染物質削減に係る技術協力の推進


最近のPM2.5研究からは、冬季の一次排出として藁やもみ殻等の農業廃棄物、夏季における植物起源揮発性有機物(イソプレン、テルペン等)由来の二次生成有機物、夏季の海風卓越時における二次生成硫酸塩、によるPM2.5への大きな寄与が指摘されつつある。

さらに、二次生成の多官能基型有機物のガス/粒子分布の測定からはこれまでの平衡モデルよりも大きく粒子側に偏っている可能性が出てきている。そのため、前記の[1]の常時監視としてのPM2.5や成分分析に加えて、植物起源か人為起源かに着目した有機粒子成分の分析やガス/粒子分布に着目した高い時間分解能での有機成分のフィールド測定が、課題[3]やCTMモデルの改良や検証のために必要となっている。


効果的なPM2.5低減対策へ至る道のりには困難が多いが、光化学オゾン問題とともに、越境汚染も考慮しつつ、総合的な調査研究と科学的な事実に基づいた着実な前進を期待したい。


(さかもと かずひこ)


runより:PM2.5は専門家では結構前から問題視されていた事が分かりますね。

大陸とは関係無く日本だけでもPM2.5問題は元々あったと言えます。