化学物質過敏症と似た病気:線維筋痛症2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・歴史 [編集]

古くはベトナム戦争後、兵士が訴えた症状から線維筋痛症候群という疾患が医師により発見された。

以後、米国では炎症反応など検査では異常が発見されないにもかかわらず本人の症状が深刻であることから、戦争、災害、テロ、交通事故、多大なストレスなどにさらされた人に多く存在するPTSDが背景にある症候群として、日常生活が不自由な患者については障害年金受給などの可否をめぐり医療界では論争の的となった。

幼少期の児童虐待経験・離婚・配偶者との死別・レイプ被害者も同様の苦痛と症状を訴えていることからPTSDとの因果関係は強まり、精神科・神経科の連携で痛み神経にアプローチする薬物療法などが研究された。

現在、米国では内科医のほとんどが線維筋痛症という疾患を知っているほどありふれた病となって認知されている。

日本では有名な女性アナウンサーの自殺という衝撃的な事件があり、線維筋痛症という病が注目されたことがきっかけで、厚生労働省が研究班を立ち上げた。

現在まだ研究途上という難病には違いないが米国と比較し日本では殆どの医師が線維筋痛症という疾病と診断方法などを知らないため、患者はかかりつけ医をみつけることに大変苦労する。

日本での患者推移・動向 [編集]

潜在患者数 [編集]

日本線維筋痛症学会での調査では、患者数は全人口の約1.7%、約200万人以上と推定された(同学会調べ)。

男女比・遺伝 [編集]

男女比は1:8または1:7といわれ、未だ調査人数が少ないものの、女性に多い病である。

欧米諸国と比較して日本はやや男性患者が多いと近年報告された。遺伝性については有意に見られると報告されている。

小児性線維筋痛症 [編集]

引きこもり・不登校児童にこの疾患が多く診断されたため、今後調査を進めていくと、小児性線維筋痛症患者の実数はさらに多いことが判明するのではないかと推測されている。

小児性線維筋痛症の問題点は、子供は「お腹が痛い」「学校にいきたくない」などと登校拒否をするが親はいつものこと、と軽視してしまう。

実は本当に本人は症状が苦しいとしても、ただの腹痛、怠けているとしか思われず理解を得られないまま慢性化してしまい、長く続く登校拒否や体の不調に気づいた親が病院に連れていくと線維筋痛症の診断を受けたケースが報告されている。

最小年齢は日本では6歳発症。

初期症状の発生、重症化から診断に至るプロセス [編集]

最初は軽度の風邪、アレルギー症状、倦怠感、肩こり、頭痛、うつ症状や腹痛などが繰り返されるため、不定愁訴として自律神経失調症などと誤診され(見逃され)る場合がある。

合併症/近似疾患 [編集]

近似疾患にはCFS(慢性疲労症候群)があり、これも倦怠感、不眠、集中力の欠如、働きすぎのストレスなどによる疲労感などが続く。

合併して線維筋痛症を発症しているケースもある。

膠原病患者が線維筋痛症を併発するケースと、慢性疲労症候群を併発するケースは治療も要因も異なってくる。

診断方法 [編集]

線維筋痛症は日本では今のところ相談窓口で紹介された医療機関で診断してもらうか、圧痛点診断(トリガーポイントが学会で示されており、およそ4キロの加圧で部位を押すと激痛が走り、18箇所中何箇所どの程度痛がるかで診断する方法)がある。

またニプロ社からペインビジョン(脳波で痛覚を検知する機器)が開発されたが、導入している医療機関は大変少ない。

線維筋痛症患者を取り巻く問題点 [編集]

潜在患者が存在するにもかかわらず、診断できる医療機関が少ないことから、患者が何軒も病院を変え、ドクターショッピングで医療費が高くなったり、医療不信になってしまう問題がある。

未だに的確な診断、早期発見、治療できる医療機関は殆どないため、診断、治療に患者がたどり着くことが困難な病である。

患者をとりまく環境 [編集]

社会的救済制度や経済的問題 [編集]

特定疾患にはなっていない(2012年現在)。

障害年金・身体障害手当などの公的支援が得られないことにより患者の生活には経済的困難が生じる。

日本線維筋痛症学会では、整形外科系疾患・精神疾患・リウマチ・膠原病、これらの疾患のどれかに誤診されるケースも多くあり、学会の研究者は疫学などの研究を進めるとともに鑑別診断・誤診も問題としている。

むろん、上記に限らず腱付着部炎などあらゆる病と合併しつつ線維筋痛症を発症していることもあり、医療者から痛みの原因を正しく理解されない間は患者は傷みを抱えながら孤立無援になっていることもあり、深刻な問題となりうる。