化学物質過敏症と似た病気:慢性疲労症候群4 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・アメリカCDC診断基準(fukuda) 1994 [編集]
1.医学的に説明がつかない、持続的にあるいは繰り返し起こる疲労感で、6カ月以上持続し、新たにまたは明確に発症したもの。

運動が原因ではなく、休養によって軽減されず、仕事や勉強、社会的行動や個人的行動を事実上妨げる疲労感。
2.下記の症状のうち4つ以上があてはまる場合(疲労感が起こる前ではなく、疲労感に伴って、持続的にあるいは繰り返し認められること)。

1.最近の出来事をよく覚えていない。あるいは仕事や勉強、社会的行動や個人的行動に支障が出るほどひどい集中力の低下がみられる
2.のどの痛み
3.首またはわきの下のリンパ節に圧痛がある
4.筋肉痛
5.2カ所以上の関節に痛みがあるが、腫れや圧痛は認められない
6.過去の頭痛とは種類、パターン、程度などが異なる頭痛
7.眠っても疲れがとれない
8.運動後24時間以上、体調不良が持続する

PS値 [編集]

疲労・侮怠の程度は、PS(パフォーマンス・ステイタス)により判断される。CFS患者は、PS値が3-9の間である。
0 - 倦怠感がなく平常の社会生活ができ、制限を受けることなく行動できる。
1 - 通常の社会生活ができ、労働も可能であるが、疲労を感ずるときがしばしばある。
2 - 通常の社会生活はでき、労働も可能であるが、全身倦怠感のため、しばしば休息が必要である。
3 - 全身倦怠感のため、月に数日は社会生活や労働ができず、自宅にて休息が必要である。
4 - 全身倦怠感のため、週に数日は社会生活や労働ができず、自宅にて休息が必要である。
5 - 通常の社会生活や労働は困難である。軽作業は可能であるが、週のうち数日は自宅にて休息が必要である。
6 - 調子のよい日には軽作業は可能であるが、週のうち50%以上は自宅にて休息している。
7 - 身の回りのことはでき、介助も不要であるが、通常の社会生活や軽労働は不可能である。
8 - 身の回りのある程度のことはできるが、しばしば介助がいり、日中の50%以上は就床している。
9 - 身の回りのこともできず、常に介助がいり、終日就床を必要としている。

原因諸説 [編集]
この節の内容の信頼性について検証が求められています。確認のための文献や情報源をご存じの方はご提示ください。議論はノートを参照してください。(2008年10月)

CFSの機序・病原については、国内外とも、生理学・疫学的な研究を含む多くの研究がされているがはっきりしない。

アメリカの医療従事者向けの治療ガイドには、3,000以上の研究報告が存在し、CFSは生理学的な病気である十分な科学的証拠がある[2]と記されている。

また、2008年発刊のトキシコロジージャーナルには、CFSは、主として神経・内分泌・免疫系統の機能不全の一群であるとし、外因性の化合物・感染症・ストレス・幼少期の虐待等がCFSを起こす要因である可能性があると述べている[3]。

しかし依然、明確に説明できるような原因は見つかっていない[4]。

過去、発症要因と考えられたものには以下のようなものがある(患者により異なる)
風邪、 発熱 (インフルエンザ等)
ストレス、 トラウマ
感染症(細菌、真菌、ウイルス)
外傷
その他 (化学物質、 紫外線、 アレルギー、外科手術、 出産 、遺伝、環境 など)

かつては原因不明の未知の病気とされたが、決定的な病因は特定されていないものの、そのメカニズムは徐々に解明されつつある。

大阪市立大学の研究によると、中でも種々の生活環境ストレスが第一の病気を発症させる引き金になっているとされる。

CDCによる近年の研究では、身体がストレスに対応するのを助ける12の遺伝子群に特別な変化のセットを持つ人々に生じている疾患であり、「トラウマ、感染、負傷などによる身体的・精神的なストレス」によって活性化される「視床下部-下垂体-副腎系 (HPA軸)の混乱」が引き金となって発症する病気と考えられている。

重要なのはストレスとは、楽しくない事柄だけをさすのではなく、「ストレッサー」と呼ばれる外的刺激が原因であり、物理的ストレッサー(寒冷、騒音、放射線など)、化学的ストレッサー(酸素、薬物など)、生物的ストレッサー(炎症、感染)、心理的ストレッサー(怒り、不安など)に分けられる。

ストレス反応とは、ストレッサーに対する防衛機構が働き、身体の恒常性(ホメオスタシス)を変化させるもののことを意味している(よって、本人がストレスと気づかない場合もストレスとなっている場合がある)。

これらのストレスに対する作用を主に司っているのが間脳視床下部であり、その指令の伝達網の役割を自律神経系や内分泌系(ホルモン分泌)が担っている。

なお、CFSはストレスとの関連があるが、「心理的な病気」ではなく肉体が激しく疲労する「身体的な病気」である(ただ、患者の中にはCFSにる副次的な精神疾患を併発する場合がある)。

医学的研究によりストレスは免疫が介在する疾患で重要な役割を持っており、実際に精神神経免疫学という新しい研究分野として研究が行われている。

種々の外的ストレスが、「自律神経」や「内分泌系」を介して「免疫系の調節」をしていることも明らかになっており、自己免疫の発症の誘因になることも明らかになっている。

患者の疲労の主因として以下のような「身体的な異常」が重なっていると考えられている。
遺伝子異常
サイトカイン(免疫)異常
ホルモン(内分泌系)異常
脳・神経系の異常

遺伝子の異常に関する研究 [編集]

マーカー遺伝子の発現解析結果を検査することで、高精度でCFSの診断が出来ると期待される。

このことにより、診断が困難であったCFSの確定診断としての利用が望まれる。

また、有効な治療法が無かった病気だが、新薬の開発への糸口になる可能性がある。

日本では、六反一仁・徳島大学ヒューマンストレス研究センター長らが開発した、血液中の1400以上の遺伝子を調べられるDNAチップなどの遺伝子に関するいくつかの研究を発表しており期待されている。

また、大阪市立大学では、患者に遺伝子発現の検査を行っており、抗ウイルス・NK活性・T細胞・エネルギー産生・細胞死・ミトコンドリア産生の遺伝子の活動レベルを検査している。

免疫の異常に関する研究 [編集]

人が疲労を感じる際、そのシグナルとなる疲労伝達物質であるサイトカインが産生されるとされる。

CFS患者では、このサイトカイン(TGF-β 及び インターフェロン)の産生異常といった免疫機能障害によって、異常な疲労感が引き起こされると考えられている。

サイトカインの産生異常の原因として、様々な研究がされている。

患者の中には免疫の指標であるNK活性が低下している者がおり、免疫低下により体内のウイルスが再活性化してサイトカインが産生されている。

なお、科学誌サイエンスに、XMRVウイルスと慢性疲労症候群の関連が報告されているが、実際にロンドンのKing’s College HospitaやオランダのRadboud 大学で検証したところ患者の誰からもウイルスは見つからなかった。

また、CDCで行われた大規模な検証やその他の多くの研究から、CFSを確実に発症させるような特定のウイルスは存在しないことが明らかになっている。よって、CFSは他人に感染したりするようなものではない。

近年のサイトカイン産生異常の研究では、CFSはストレスと密接な関係があるとされ、脳内サイトカインが様々な「ストレッサー」によるストレス刺激によって産生されることがわかってきている。

ストレッサーには、物理的ストレッサー(寒冷、騒音、放射線など)、化学的ストレッサー(酸素、薬物など)、生物的ストレッサー(炎症、感染)、心理的ストレッサー(怒り、不安など)がある。

ストレッサーが存在すると生体は各種ストレスホルモン分泌を増加させ、ストレッサーに対する防衛機構を働かせる。これをストレス反応と呼ぶ。

種々の外的ストレスが、「自律神経」や「内分泌系」を介して「免疫系の調節」をしていることも明らかになっており、精神的ストレスが内分泌系や交感神経を介して、末梢の免疫細胞の機能変化を誘導し、自己免疫の発症の誘因になることも明らかになっている。

九州大学の研究によると、脳内サイトカインの産生は、中枢神経系における感染などの炎症によって誘発されるだけでなく、拘束ストレスや環境ストレスなど、非炎症性ストレスによっても誘導される。

疲労もまた、様々なストレスによって誘発され、さらに重症化、あるいは慢性化される。

疲労の種類は、
1.強制歩行などによる肉体的疲労
2.拘束や不安による精神的疲労
3.暑熱暴露などによる環境疲労
4.感染や腫瘍、および自己免疫疾患などによる免疫学的疲労

に分けることができる。これらの分類は、とりもなおさずストレスの分類法でもあり、従ってストレスと疲労とは、表裏一体をなすものであり、脳内のサイトカインはこれらを結ぶ、キーワードになると考えられる。