イソシアネートの脅威4 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・皮膚刺激の等級

 クラス 1
 実質的に刺激なし

 クラス 2
 弱い刺激性あり

 クラス 3
 中程度の刺激性あり

 クラス 4
 強度の感作性あり

 クラス 5
 強度の刺激性あり

 クラス 6
 動物にガン惹起の疑い

以上の等級に基づいたエポキシ樹脂と硬化剤としてのアミンの毒性を示します。

 

エポキシ樹脂の毒性と刺激性

    物質の名称
 LD50(mg/kg)
 SPI分類

ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂
 10000~11400
  2

ビスフェノールA型固形エポキシ樹脂
   30000
  1

エポキシノボラック液状半固形樹脂
   3000以上
  2


硬化剤(アミン系)の毒性と刺激性

    物質の名称
 LD50(mg/kg) 
 SPI分類

 ジエチレントリアミン
    2080 
  4.5

 トリエチレンテトラミン
    4340
  4.5

 テトラエチレンペンタミン
  2100~3900
  4.5

 ジエチルアミノプロピルアミン
    1410
  4.5


以上を概観してみるとエポキシ樹脂よりも硬化剤の方が毒性が強いことがわかります。

これは エポキシ樹脂よりも硬化剤としてのアミン系物質のほうがより強い反応性を有することによります。

 ただ、アミン系の硬化剤はポリウレタンの硬化剤(イソシアネート)に比べれば、空気中に蒸 気となって拡散しにくいので,接触を避けることで安全に使用できます。

 

ただし、低粘度のエポキシ樹脂接着剤は分子量が小さい(分子の網や鎖が小規模)ので大気中 に拡散しやすく呼吸器から取り込まれ、血液中に吸収されやすいといえます。

また皮膚組織から も取り込まれやすいといえます。

またトルエン・MEK(メチルエチルケトン)などの溶剤で希 釈したエポキシ樹脂塗料を低粘度エポキシと俗称している場合があります。

溶剤混合型のエポキ シ樹脂塗料も分子間の引力が低下していることと溶剤の大気中への拡散に助けられることで、 低粘度エポキシ樹脂塗料よりさらに体内への吸収性が高まります。

もちろん溶剤そのものの毒性も無視できません。

 

低粘度・溶剤仔混合型のエポキシ樹脂を扱う作業では、吸引や皮膚の曝露に注意しなければな りません。

  また、硬化が完了したものは当然ながら反応性がないので毒性がありません。

ビールの缶の 塗装にもエポキシ樹脂が使われていることからも安全であるといえます。

ただ硬化か完全でない と未重合・未反応の部分が毒性を発揮する場合があります。

また、未反応の硬化剤は水と結合し て炭酸塩を生じて塗装面を白濁させ、強度も劣化させます。

混合比を正しくし、クランプ・養生 中の温度管理も行い完全に硬化させることは、強度・美観・安全の点で大切なことです。