マツクイムシ虫防除空中散布問題:スミチオン11 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・4)遅発性神経毒性
有機燐系農薬によって遅発性神経障害がおこることがわかっている。

人間では足の末端に始まり、手や大腿に拡がる弛緩性麻痺で、末期には脊髄病変がおこり、強直や連動失調がみられる。

これは薬物が体内にはいってから発症までに6~14日の遅れがある。

人間は非常に敏感に反応し、マウス、ウサギなどでは反応がはっきりしないことが多い。

鳥は人間で遅発性神経障害をひきおこす薬物に敏感に反応することより、実験動物として良く利用されろ。
スミチオンに遅発性神経毒性があるかどうかははっきりしていなかったが、ウサギでは10 mg/kgのスミチオンを8週間連日投与すると、坐骨神経に障害がおきたことが報告されてい(Leohotzky&Ungvary,l976)。

またハトでもスミチオンを5 mg/kgづつ6日間投与した場合に脊髄に病変が現れることを報告している (Nag & Ghosh, 1984)。

中枢神経系では一度障害が起こるとほとんど回復しないことが知られている。

Abou-Donia (1981) は遅発性神経障害は非常に重大であり、この障害は悲惨な結果をもたらすから遅発性神経毒性のあるような薬物の使用は推奨できないとしている。

5)血液に対する影響
血球は骨髄の中で作られ、成熟して血液の中に出てくることが知られている。鉛中毒では赤血球の成長過程に異常が起き、血液中に好塩基性斑点赤血球が出現することが知られています。

好塩基性斑点赤血球の出現はスミチオシ中毒のような農薬中毒でも起こることがしられています。

このような好塩基性斑点赤血球の出現は農業従事者の半数以上に起こっていることが知られており、農薬の危険性を示すものと考えられます。

さらに動物にスミチオンを投与すると未熟な赤血球(網状赤血球)の出現、赤血球の膜の強さの変化も起こると言われている(工藤他、1980,1981)。

6)肝臓に対する影響
農薬が肝臓に影響をあたえることは良く知られている。

スミチオンを投与すると高濃度に肝臓に集まり、5日後においても無くならないことが知られている(浅沼他、1972、1979)。

スミチオシをサルに体重l kg当たり0.1 mg与えただけで肝臓の構造に変化が起きると報告されている。(グリソン氏鞘細胞浸潤、浮腫)。

肝臓の浮腫の発生は人間に近いサルで激しく、ウサギより10倍は敏感な(弱い)ことが知られている(松島他、1972)。

また肝臓のコリンエステラーゼ量の減少が2 mg投与の場合に起こるという。
阿部他(1984)のサルとイヌで行われたスミチオシの微量長期投与実験では、肝細胞の脱落・変性が認められている。

7)腎臓に対する影響
スミチオンにより腎臓に影響が出ることが知られています。サルでは0.1-0.5 mg/kgのスミチオンの投与で蛋白円柱、ウサギでは1.0 mg
/kgの投与で尿細管上皮に混濁腫脹が見られる(松島他、1972)。
阿部他(1984)のサル・イヌに対するスミチオン微量長期投与実験では慢性的鬱血状態が知られている。