マツクイムシ虫防除空中散布問題:スミチオン9 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・6)スミチオンの生体内残留と影響
スミチオンは脳や腎臓等に集まり、体からすぐに出ていきません。
影響はスミチオンが検出きれなくなっても、長い間続きます。
スミチオンは温血動物の体内ですぐに分解されると言われ、スミチオンには蓄積性がなく、安全であることの根拠となっています(スミバィン普及会、1983)。

しかし、分解しやすいといっても悪名高い有機塩素系農薬(DDT, BHC)との比較の上で言いうることであって、スミチオン自体も長く生体内に残り、その影響はかなり続きます。
ネズミに300 mg/kgのスミチオンを投与すると、1 日後に残留スミチオンは最高を示し、5 日後にも検出される(浅沼他、1992, 1978)。

この場合スミチオンは血中より各種の臓器に蓄積される傾向があり、血中の残留値と比較すると、1日目には脳で3.8倍、肝臓で7.0 倍、腎臓で36.5倍となり、2日後には脳で7.4 倍、肝臓で2.5 倍、腎臓で115.2倍とかなりのスミチオシの濃縮がみとめられる。

コリンエステラーゼ活性は血清では1~5 日目で1/4 から1/6に下がり、回復には10~15日を要する。脳のコリンエステラーゼ活性は2日目になると1/10と減少し、1日目でも1/3までしか回復していない。

このことは体からスミチオンそのものは消失しても影響は長く残ることを示している。
ラット血液中、臓器中残留スミチオン量とコリンエステラーゼ活性値の
経時変化
投与後日数残留スミチオシ(ppm) コリンエステラーゼ活性値ΔpH
血液脳肝腎血清血液脳肝腎
対照群N.D. N.D N.D. N.0 0.12 0.36 0.72 0.13 0.05
1 日目0.36 1.40 2.53 13.2 0.02 0.11 0.19 0.04 0.02
2 日目0.086 0.64 0.22 10.0 0.G3 0.11 0.07 0.04 0.01
5 日目0.004 0.013 N.D. 0.086 0.03 0.10 0.11 0.08 0.02
10日目N.D. N.0. N.D. N.D. 0.10 0.14 0.18 - 0.04
15日目N.D. N.D. N.D. N.D. 0.17 0.20 0.25 - 0.04
(浅沼他、1978)