・ねずみのがんの大半はキノコ類で治る?~長村氏講演(3)
2012年12月 5日 17:49
<売り逃げ業者も存在>
健康食品に定義がないことは、有効性表示、品質性、医薬品との相互作用、といった問題を引き起こしている。
日本では薬事法の観点から、「食品は健康を維持する機能を有する」という極めて当たり前のことが問題となる。
有効性表示の面では、健康食品を売るために、タレントの使用、派手な体験談、文献の多さを匂わせる、御用学者的な人物の権威付け、などの販促手段が取られている。
こうした広告が多くみられるが、本当に効果があるのだろうか。
動物実験にも疑問はある。
例えば、キノコ類の健康食品には、がんの抑制効果に関する多数の研究結果が発表されているものもあるが、それらのほとんどは動物実験か試験管内実験の結果である。
また、ネズミのがんの大半はキノコや海草の抽出物で完全になおる。動物で有効であったとしても、人間で有効であるとは限らない。
逆に効果があると思っていたら、未承認医薬品が入っていたというケースもある。
厚労省がまとめた報告書によると、これまで報告があった未承認医薬品による健康被害事例は、796人で、うち死者が4人となっている。
未承認の医薬品や、医薬品そのものを加えられたものでは、実際に健康食品の被害が起っている。
これは、健康食品が一般食品として販売できることから、網の目をかいくぐって、違法な商品を売る輩が出てくる。
その中には、短期間で商品を売ってから撤退するということを、計画的にやっていると思われる悪質なケースも多くみられる。