・<「法的定義がない」ことが最大の問題>
健康食品の最も大きな問題は「法的定義がない」ことである。
これは私だけが言っていることではない。
一般社団法人日本健康食品規格協会(JIHFS)の大濱理事長もこのことに対して問題提起している。
消費者庁では、消費者委員会で健康食品の表示のあり方などが検討されているが、「健康食品って何?」という大きな疑問を抱えながら議論が行なわれている。
厚労省の「健康食品に係る制度のあり方に関する検討会」では、健康食品のことを「広く健康の保持増進に資する食品として販売・利用されるもの全般」と定義したが、豚肉もほうれん草やニンジンも、どれも「広く健康の保持増進に資する食品」である。
なので、これは単なる食品の定義にすぎない。
先日行なわれた消費者委員会の会議でも、錠剤の形で制約をかけるか、登録制にするか、といった議論が起きたが、何を対象にしているか明確でない。
健康食品は「保健機能食品だけで十分だ」というような議論だった。
この議論は、まるで昭和46年に健康食品が問題となり、46通知が出された頃に戻ったようだった。
日本の行政は、時代と世界の流れを無視した議論が起こっている。
その大きな原因は、健康食品というものが、日本で2兆円の市場を形成しているにもかかわらず、その明確な定義がなされていないことであり、これが健康食品の最も大きな問題である。
日本以外では、米国は「Dietary Supplement」、EUは「Food Supplement」など、「いわゆる健康食品」ではなく、しっかりとした定義と名称がある。健康食品はその国ごとにそれぞれの規制を受ける対象になっている。
日本では保健機能食品以外、何もない状況。
健康食品に定義ないことは、次のような問題を起こす。