米国学習障害合同委員会 The National JointCommittee of LearningDisabilities は、学習障害は聞く・話す・読む・書く・推理することや、数学能力、社会的技術の獲得と使用において重大な困難さによって現れた異質な障害のグループをいう一般的用語であると述べている。
これらの障害は個人固有なものであり、中枢神経系機能不全によるものと思われており、一生を通じて起こるだろう。
自己規制行動や社会的洞察・社会的関係における困難は学習障害に存在するだろうが、それ自体で学習障害を構成するものではない。
学習障害は感覚障害や精神遅滞・社会及び情動障害と共に、又は文化的違いや不十分又は不適当な教育・心因的因子と共に付随的に起こるだろう。
学習障害は付随的に注意欠陥障害と共に起こるだろう。
これらの全ての障害は学習問題を起こすだろうが、学習障害はこれらの状態の直接的結果ではない。6c)
精神障害の診断・統計 マ ニ ュ ア ル Ⅳ TheDiagnostic and StatisticalManual of Mental Disorders(DSM IV,1994)は、精神障害の精神科的診断と分類のマニュアルである。
DSM Ⅳは障害の定義を与え、ある診断がされる要因を述べる。
それぞれの障害は臨床的に意味ある行動又は心理的症候群・個人に生じるパターンとして概念化される。
それぞれの障害は苦しみ(苦痛の多い症状)または障害(一つ以上の重要な機能の領域での障害)、死亡や苦痛・障害・重大な自由喪失のリスクの重要な増加と結びつけられる7。
その他にこの症候群又はパターンはある出来事に対する予想される又は文化的に許容される反応以上のものでなければならない。
DSM Ⅳは次のように述べている。
「学習障害は読むこと又は算数・書かれた表現で個人的に行った標準化された検査の個人の学力が年齢や教育・知能レベルで予想されるより相当下である場合に診断される。学習障害は、学業成績や読み書きや算数技術が必要な日常生活活動を大きく妨げる...相当下とは成績とIQとの間に標準偏差の倍以上の相違と通常定義される(p.46) 。
しかし、小さな催(標準偏差及びその倍の間)は別の障害の場合又は一般的な医療が IQ 検査を損なう場合にしばしば用いられる。
DSM Ⅳであげられている特殊な学習障害は、表出性言語障害・受容-表出混合言語障害・音韻性障害・読字障害・算数障害・書字表出障害・他に特定されない学習障害がある。