危険な道:第6章:既知の及び疑われている発達神経毒物12 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・ダイオキシンとPCB
? 胎児の時にダイオキシンに被ばくしたサルは学習障害の証拠を示す
? 胎児の時に低レベルの PCB に被ばくした人間と動物は、学習障害になる
? 胎児期に PCB に被ばくした子供は、長年後に調べた場合、IQ 低下・多動性・注意欠陥を示す。

ダイオキシンは、一般および医療廃棄物焼却・銅の二次精錬・有害廃棄物焼却・塩素によるパルプや紙漂白・その他を含む種々の産業過程の間に、意図しないで作られた化学物質の 1 群である

ダイオキシンは、2 つの酸素原子で結びつけられた 2 つのベンゼン環からなり、周囲に分布する様々な数の塩素原子を持つ。

あるダイオキシン分子の毒性は、塩素原子数と位置によって変化する。ダイオキシン被ばくの毒性発現のほとんどは、細胞受容体(Ah 受容体)へダイオキシンが付着することを通じるが、一部の神経発達影響は Ah受容体活性化とは関係がないだろう。

ダイオキシン一族内で、2,3,7,8-テロラクロロジベンゾ-p-ダイオキシン(塩素原子を 2,3,7,8 の位置に持つ)は、Ah 受容体に最も高い親和性を持ち、Ah 受容体を介する影響の最も強力な引き金である。
ポリ塩化ビフェニル(PCB)は、長年意図的に生産され、潤滑油やコーティング・変圧器で絶縁材料のような種々の目的のために使われてきた産業用化学物質である。

米国とほとんどの他の国で、PCB の環境中残留と生物濃縮傾向・毒性のために PCB 生産は禁止されている。しかし、PCB は依然として多くの変圧器や埋立地・有害廃棄物処分場に存在する。

PCB は構造的にダイオキシンに似ているが、ベンゼン環の間に酸素原子がない。

被ばく経路
ダイオキシンと PCB 被ばくは主として食品源を通る。ダイオキシンと PCB の両方は環境中で残留し、脂肪組織に生物濃縮する傾向がある。結果として、牛肉や豚肉・乳製品・魚を含む食物連鎖の頂点で、それぞれの濃度は最も高い。

母乳は脂肪含量が高いため、人間の組織で最も高いレベルを含んでいる。このことは、生涯の始めのわずかな月の間にこれらの化学物質一族を一生に摂取する量の相当部分に、母乳を飲む乳児が被ばくすることを説明する。


動物での研究
妊娠中に5-25 pptのダイオキシンを含む母親の餌を通じて、ダイオキシンに子宮内で被ばくしたサルは、弁別逆転学習の障害(形の逆転学習の遅れ)を示す86。

この試験で、動物は最初に特定の形・色・位置に対して正しく応答することを学ぶ。

次に正しい答を逆転し、以前の間違った応答が今度は正しいものとなる。これは応答戦略の変化を必要とし、単純に最初に弁別することを学ぶより困難である。
適切な安全余裕は人間の被ばく範囲と健康への悪影響との間に数桁が必要である。

しかし、ダイオキシンの健康への悪影響1 - 4はほぼ人間の被ばくの高い範囲で、動物で証明されている。このことはダイオキシン生産と放出の削減または廃絶によって人間の被ばくを減らすことが緊急に必要であることを証明する。

ダイオキシンは自治体と医療の廃棄物焼却などの様々な産業過程で非意図的に作られる。

ひとたび大気中に放出されると、ダイオキシンは地球の食品を供給する牧場や水域に落ち着く前に数千マイル以上動くことが多い 。 2
PCB は変圧器やコンデンサー・潤滑油などの様々な製品に使うために、主に 1920 年代から 1980 年代に生産された PCBはほとんどの国で生産されたが 生産された全量の約3 分の 2はまだ環境に放出されていない PCB は不注意な処分や産業施設と廃棄物処分場からの漏れ、使用中の製品から環境に入ってきた。土壌と水に入5,6
った PCB は土壌と堆積した粒子に結びつき、様々な割合で蒸発し、ダイオキシンのように長期路の大気中移動をする。

類似の化学的性質のため、とダイオキシンは同じような長距離大気中移動のパターンを持ち、7,8 PCB結果として広範囲の沈着を起こす。

両方は汚染された植物を食べる牛と魚で濃縮され、人間を含む食物連鎖で高い種類で一層高く濃縮される

PCB とダイオキシンは土壌中に長年残ることがある 。動物での実験研究 9,10
は汚染土壌との接触後の、ダイオキシンでなく PCB の重大な皮膚吸収を証明している 。

しかし、PCB と 12,13ダイオキシンの両方に対する人間の被ばくは食品摂取を通じて起こる。

ダイオキシンとは脂肪によ14,15 PCBって運ばれるので、両方は妊娠中に母親から人間の発達の最も影響を受けやすい段階であり胎児に移り、母乳保育の間に渡され続ける。

このようにしてダイオキシンと PCB は産業化学物質が工場から胎児に旅する予見されなかった経路の一つを説明する。

人間の母乳中に一般に見られる代表的な混合物と濃度で、生まれてから 20 週まで PCB混合物を与えられサルは、2.5才から5 才の間に検査した場合、学習と実行技術に有意な障害を示した。87

学習の遅れ以外に、固執的行動(コンスタントなくり返し)と不適切な応答を止めることができないことを示した88。
影響を受けたサルは、一般的な人間集団と同じく、血中PCB レベルが2-3 ppb であった。
出生後すぐに PCB 被ばくを受けたサルで、多動性を含む学習と行動への同じような影響を報告している。89,90
生まれる前に PCB に被ばくしたラットは、視覚弁別(識別)低下、自発活動レベルの増加と低下、学習障害を示す。91,92

研究で用いた特定の PCB に依存して、無影響量は突きとめられていないが、妊娠 10-20 日に 2 日ごとに投与した母体投与量で 2 μ g/kg/日の低さで影響が見られた。