危険な道:第4章:研究から現実への長い道のり3 | 化学物質過敏症 runのブログ

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*連続実行試験:注意集中能力のための試験の 1 例 (Grandjeannによる )
連続実行試験では、子供はスクリーンにちらりと映し出される一連の動物の影を見る。

子供のすることは 4 分間に渡って、ネコが現れた時にボタンを押すことである。

試験は、最後の 3 分間の誤った応答数と平均反応時間によって採点される。

この試験は特定の種類の注意集中である覚醒の測定であると考えられている。

研究に役立つ結果の測定としての特性
子供の発達の異なる分野を結びつけることとは別に、特性・能力は特有の機能として検査でき定量できるため、研究のために良く調べられている。

毒物学で、研究者は「出来事や蓄積された知識・一般的能力よりも特定の機能と過程を研究する」ようにますますなっている12。

例えば、子宮内コカイン被ばくは、幼児と子供の様々な段階で視覚認識記憶や注意集中能力のような特定の機能の試験を用いて検出されている。

対照的に、一般的認識能力の標準的検査(幼児発達のベイレイスケールやスタンホード=ビネー知能尺度)は被ばくした子供と被ばくしない子供との間の差をほとんど示さない13。

同様に、連続成績試験(Continuous Performance Test)のような注意集中の特殊な試験は、低レベルの出生前鉛被ばくに対する全般的評価や神経学的検査より敏感である。

コンピュータ支援神経生理学検査のように、連続実行試験は「...応答のわずかな差、[そして]それ故、微妙な神経行動学的機能不全を検出するのに優れている」14。
ADHD やアスペルガー症候群のような臨床症状は研究では疑問であろう。というのは、それらは定量的と言うよりはカテゴリーであり、その定義は時とともに変化し続けるからである15。

その他に、臨床症候群は、神経発達に関する毒物の影響を研究するのによく使われる動物モデルに当てはめるのが余りうまくいかない。

このことは、自閉症研究のための動物モデル開発の困難さによって説明できる。

この分野の指導的研究者、パトリシア=ロデイールは次のようにが要約した。「...自閉症や関連障害が診断される行動基準は...動物実験を促さない。...私たちの最も特定の行動情報の大部分は、...言語や連想・模倣のような恐らく人間が独占している行動に関係する」16。
以上のような理由から、神経発達に関する種々の因子の影響は、臨床症候群や発達や知性の全般的尺度より、特定の行動と認識能力に関して測られることが多い。

特性に焦点を合わせることは様々な研究分野の間で共通点を提供し、さらに信頼性があり敏感な尺度を産み出し、診断名と同様に「正常」集団に関する毒物と遺伝の影響を研究できるようにする。

訳 渡部和男