職場の危険:一酸化炭素14 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・練炭コンロでコンクリート養生中のシートの中に入り一酸化炭素中毒


 この災害は、木造家屋建築工事で打設した基礎コンクリートを養生するため、ビニールシートで覆って練炭コンロを使用して保温養生を行っていたところで発生したものである。

前日の午後4時頃、被災者を含めて3名の労働者が、練炭コンロを置いて養生を開始し、その日の作業を終えた。
 当日の朝8時30分頃、被災者を含めて3名の労働者で、前日に置いたコンロの練炭の入れ替えを行い、その後、3名は、そこから少し離れた場所で別の作業に従事していた。
 練炭の入れ替えは、午後4時頃を予定していたが、被災者は一人で一足先にコンクリート養生をしている現場へ行き、後から到着する同僚らを待たずに一人で練炭の入れ替えのため、ビニールシートをまくりあげて中に入ったところ、急に体の自由が利かなくなりその場に倒れてしまった。
 後から到着した同僚達がこれを発見し、直ちに、被災者を土間から抱えて外に出し、車に乗せて近くの病院へ運んで酸素吸入を行い、さらに、救急車で専門的治療を行う病院へ転送した。
 なお、救出のために中に入った3名には、一酸化炭素中毒の症状は生じなかった。


 この災害の原因としては次のことが考えられる。
1 コンクリート養生箇所が一酸化炭素ガスで充満されていたこと
 コンクリートが打設されたところをビニールシートで覆って中に練炭火鉢を入れたことから、密室の中で練炭を燃焼させた形になり、中が一酸化炭素ガスで充満されていた。
 なお、発見が比較的早かったため、幸いにして助かったものと考えられる。
2 作業手順を明確に指示していなかったこと
 練炭交換のため、ビニールシートの中に立ち入るときの換気、一酸化炭素濃度の測定、複数作業等の手順について明確な指示を行っていなかった。
3 一酸化炭素中毒等について安全衛生教育を行っていなかったこと
 練炭の不完全燃焼による一酸化炭素の発生とその有毒性、濃度測定、換気等の措置についての安全衛生教育は行っていなかった。


 この災害は、木造家屋建築工事で打設した基礎コンクリートを養生するため、ビニールシートで覆って練炭コンロを使用して保温養生を行っていたところで発生したものであるが、同種災害の防止のためには次のような対策の徹底が必要である。
1 作業マニュアルを作成し、安全衛生教育を実施すること
2 一酸化炭素が発生する恐れのある箇所に立ち入るときは、一酸化炭素濃度の測定を行うこと
3 一酸化炭素が発生する恐れのある箇所へ立ち入るときは、十分換気してから立ち入ること
4 一酸化炭素が発生している箇所へ立ち入るときは、呼吸用保護具を使用すること
5 作業責任者を選任し、その者の指揮のもとに作業を行うこと


runより:一酸化炭素事故の典型的な例と言える事例です。

図を見ると分かりますが上部が開放してながらも中毒に陥ったのは空気より重いので囲いの中は一酸化炭素で充満していたという事です。

石油ストーブ事故もこういう仕組みで起こります。