・カメムシ斑点米の問題
このような違いから、生産者は等級の規格に敏感にならざるを得ません。被害粒のうち、着色粒とは、虫・熱・カビ・細菌等によって米粒表面の全部又は一部が黄・褐・黒色等になった粒で、通常のとう精によって色が除かれないものをいいます。
着色粒の中で最も多いものが、カメムシによるもので、いわゆるカメムシ斑点粒です。
カメムシ類は世界で2500種以上いるといわれ、日本には約90種、そのうち30数種類がイネ科に害を加えるといわれています。
代表的な虫はホソハリカメムシです。
カメムシは木の皮の間などで越冬して雑草地で繁殖、水田に飛来し稲籾にとりつきストローのような口を差込みデンプンを吸います。
吸われると米粒には斑点が残ります。そこで、生産者は、害虫駆除のための農薬を撒くことになります。
実際に2等以下に格付けされた原因が着色粒(カメムシ類)にある割合というのは、平成22年産米で11.9%、平成23年産米で15.8%です。
【平成24年1月31日現在】
表示の問題(米トレーサビリティ法とJAS法)
「 農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律」(JAS法)で、「玄米及び精米品質表示基準」が設けられています。
その中で、農産物検査を受けているかどうか明確に区別するため、検査を受けていないと、①産地(「新潟県」など)、②品種(「コシヒカリ」など)、③産年(「23年産」など)を表示できないとされていました。
しかし、平成20年に発覚した三笠フーズ事件(発がん性のあるアフラトキシン等が混入した非食用米が食用米として不正転売)を受け、米の流通経路を解明するため、「米穀等の取引等に係る情報の記録及び産地情報の伝達に関する法律」(米トレーサビリティ法)が制定され、①取引等の記録の作成・保存、②産地情報の伝達、が義務付けられました。
これにより、農産物検査をしていない未検査米でも生産者から消費者まで産地情報を伝達しなければならなくなったので、JAS法を改正し(平成23年7月1日施行)、未検査米でも産地だけは表示してよいことになりました。但し産地未検査と表示しなければなりません。
具体的には「千葉県(産地未検査)」などと表示されます。
以上が、高橋勇氏の講義内容です。
参加者からの意見と今後の課題
勉強会の参加者からは、「この表示が消費者には非常に分かりづらい」「未検査米も品種と産年の表示を認めるべき」といった声が上がりました。農産物検査の方法は昔から変わっていません。
本当に消費者にとって意味のある内容なのか疑問があります。
厳しい規格が農家に犠牲を強いる一方で、それが不必要な農薬の使用につながり、かえって消費者の利益を損ねているおそれがあるのではないか?
そんな不合理さが浮かび上がってきました。
runより:この「等級」こそが日本を農薬王国にした悪法です。
曲がったキュウリの何が悪いのさ!
そして今は香りブーム・・・化学物質過敏症患者製造ブームと言いたいです。
電磁波過敏症だって難病指定のいくつかも関係あるとしか思えない。