職場の危険:亜鉛2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・アセチレンガスでひずみ取り中、亜鉛ヒュームを吸い込んで中毒


本災害は、金属製品製造業の工場内において、船舶マストに付帯するはしご道の製作工程で生じたひずみをアセチレンガスを用いて取り除く作業中、亜鉛ヒュームを吸い込んで中毒したものである。
 当該事業場においては、主に船舶関係の艤装品の製造を行っており、材料はほとんど発注者の持ち込みの物で、その溶接加工作業等を行っている。
 当該事業場では、作業に当たって段取り(材料切断等)、製罐・仕上げ、溶接、塗装の各工程の分担が決まっており、被災者は製罐・仕上げ作業を担当していた。

このように作業分担が決まっているため、作業開始前の詳細な打ち合わせ等は行っておらず、仕上がりの進捗管理を社長が行う程度であった。
 災害発生当日の被災者は、船舶マストに付帯するはしご道のひずみ取り作業を始業時から1人で行った。

作業時には被災者は、呼吸用保護具を着用しておらず、午後3時頃急に気分が悪く、目がまわる状態になり、事務室で休息をとったが、嘔吐したため、医師の診察を受け、亜鉛中毒の疑いで治療を受けた。


[1] 作業現場において十分な換気が行われていなかったこと。
[2] 作業時における呼吸用保護具等の着用が徹底されていなかったこと。
[3] 亜鉛により腐食防止コーティングされた材料を加工する際の危険有害性に対する認識が乏しかったこと。


[1] 亜鉛を用いて腐食防止コーティングされた材料等を加工する等危険有害性のある作業を行うときは、十分に換気すること。
[2] 危険有害物作業に対する安全衛生教育を行うこと。
[3] 計画段階に於いて、予想される危険有害等の要因に対する十分な結果検討を行い、作業者に具体的に指示すること。