日弁連:電磁波問題に関する意見書11 | 化学物質過敏症 runのブログ

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6 電磁波過敏症対策の必要性(「第1 意見の趣旨」3)
(1) 電磁波過敏症の定義
① 電磁波過敏症の定義
電磁波を浴びると鋭敏に反応し,頭痛,吐き気,疲労,めまい,心臓動悸,
痰が出る,不眠症,記憶低下,皮膚がチクチク,ヒリヒリ,ピリピリし,手
足のしびれ,内臓圧迫感,むくみ,耳鳴り,不定愁訴,不快感,自律神経失
調,筋肉や関節の痛み,不整脈,まぶしい,うつ状態,のどの痛み,頭が重
い等の様々な症状がみられる人がいる。
これらの症状を一般に「電磁(波)過敏症(ESないしEHS)」(以下「電磁波過敏症」という。)と呼んでいる。

② WHOの見解
WHOは,2005年12月に発行したファクトシートNo.296 にお
いて,「電磁波過敏症」は,医学的診断基準はなく,その症状が電磁界曝露と関連するような科学的根拠はないとしながらも,様々な症状が存在すること自体を認めている。

そして,EHSの一般的な症状として,皮膚症状(発赤,チクチク感,灼熱感),神経衰弱症,自律神経系症状(倦怠感,疲労感,集中困難,めまい,吐き気,動悸,消化不良)を挙げ,これらの症状は,既知の症候群の一部とはいえないとしている。

(2) 日本における被害者の声
我が国では,マスメディアによる報道がほとんどなされてこなかったことも
あり,電磁波過敏症の存在すら一般にはほとんど知られていない状況にあるが,これは我が国で電磁波過敏症の発症例がないことを意味するものではない。
電磁波過敏症の救済と対策を求める取組を行っているVOC-電磁波対策研究会の「電磁波過敏症アンケート2009」 と題した報告書19によれば,電磁波過敏症ないしこれに近い症状を訴える人々にアンケートを採ったところ,電磁波過敏症が発症する原因になったと思う電磁波発生源について携帯電話やPHSの基地局・中継アンテナが全体の32%と最も多く,また同発生源は,全体の70.7%の人によって電磁波過敏症を引き起こす電磁波発生源として挙げられている。
また,上記報告書によれば,電磁波過敏症を発症した場合の主な社会生活上の問題点として,アンケートに答えた多くの人が,電磁波過敏症について理解のある医師による治療が十分に受けられない,電磁波に反応し体調が悪化するため外出を控えていると回答しており,有職者中発症によって仕事に大きな影響が出たと述べる者は65%に上っている。

症状が悪化すると社会生活に支障を来したり,就労が困難となるケースも予想されるところである。
こうした電磁波過敏症発症者からの声を踏まえ,上記報告書は,携帯電話・PHS基地局等の電磁波発生源の設置場所の制限・Web上での公開,設置計画の周辺住民への事前公開,携帯電話の使用ルールと使用場所の制限,公共交通機関等における電波を発生させる機器の使用禁止エリアの設置,電磁波過敏症に対応できる医療体制の整備・情報公開等が必要であるとしている。