EUにおけるネオニコチノイド系農薬規制とイギリスの現状2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・ネオニコチノイドについて
 ネオニコチノイドは、植物体内に浸透して作用する殺虫剤で、種子や土壌の処理に使われると、薬品が植物のあらゆる部分、花粉や花密にまで広がります。

この殺虫剤は、昆虫の中枢神経系シナプス後膜のニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)を、回復がほぼ困難なまでに阻害してしまいます。
 2009年時点で、イギリスでは30種類のイミダクロプリド製品が販売され、様々な農作物用の殺虫剤や家庭用品として使用されており、イギリス国内の100万ヘクタールの土地にネオニコチノイドが散布されました。

ネオニコチノイド・レポート
 バグライフは2009年に、ネオニコチノイド系殺虫剤がマルハナバチ、ミツバチ、その他の非標的無脊椎動物に与える影響を強く懸念し、入手可能な研究結果をレビューし、ネオニコチノイドの影響評価に関するEU規定の承認プロセスの有効性を検討したレポートを発表しました。
 この調査研究の結果、ミツバチについては以下のような悪影響があることが分かりました。

・食料を探すミツバチは、砂糖水が3μg/kgのイミダクロプリドで汚染されると、給餌器を訪れる回数が減った。

・ミツバチの巣の中の花粉ダンゴのイミダクロプリド濃度が10μg/kgに達すると、巣房中の蜂児の数が減った。
・致死量に近いイミダクロプリドでミツバチの集蜜行動が変化した。6μg/kgで、活動するハチの割合が減少した。

・イミダクロプリドの慢性毒性は、急性毒性に比べ、はるかに低い濃度でハチを死に至らしめる。

 バグライフの調査では、この他に、カゲロウや水生虫などの種にも悪影響があることがわかりました。

そこで、私たちは、レポートで以下のような提言を出しました。
・承認されている農薬リストに、ネオニコチノイドとフィプロニルを含めるべきかを検討する。
・イギリスにおいて屋外で使用が承認されているネオニコチノイド製品を再検討する。
・再検討が完了するまで、屋外使用が承認されている全てのネオニコチノイド製品の使用を一時禁止する。
・無脊椎動物に対する浸透性殺虫剤の影響、特に致死量以下での影響を評価するための国際的な手法を開発する。

 このレポート以降も、多数の科学者がネオニコチノイドの毒性について研究を続け、ミツバチの行動減少や個体数の減少を報告しました。

また、植物からの溢水に高濃度のネオニコチノイドが含まれており、これを飲用するミツバチにとって致死量になりうるとの報告も出されました。
 このような研究結果を憂慮して、EUの数カ国ではネオニコチノイドの使用が一時中止されたにもかかわらず、イギリス政府は、フィールド調査が不十分であり、ネオニコチノイドの影響はまだ実証されていないと言って、未だに対策に乗り出そうとしません。

イギリス政府は予防原則を適用し、環境上の安全性が実証されるまでは使用を禁止すべきです。

今後、バグライフは、化学物質規制委員会と協力して調査結果の検討を行う、地方自治体や地方行政にはたらきかけて地方レベルでの使用禁止を実現させるなどの活動を行い、予防原則の実現に向けてチャレンジしていきたいと思っています。
        (報告:運営委員・粟谷しのぶ)


runより:私は農家が農薬を使うのは必要悪として認めているんですが、段々無差別テロに思えてきました。

もう昭和50年代くらいの生活水準でいいんじゃないか?と思います。