SAICMの新規課題としての内分泌かく乱物質:IPENの見解と優先事項3 | 化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 電磁波過敏症 シックスクール問題を中心としたブログです

・新規政策課題としてのEDCsへの協働行動のための優先事項

 国際化学物質管理会議の機能のひとつは、”新規政策課題が生じたときに、それらに注力して適切な行動を求め、協働行動のための優先事項への合意をまとめること”である[6]。

SAICMは、世界の懸念として新たに出現している課題が適切なメカニズムによって十分に対応されるべきことを求める[7]。

 IPENは、SAICMの下における新規政策課題としてのEDCsの推薦を完全に支持する。

IPENは、SAICM利害関係者らがEDCsへの下記協働行動を優先事項とすることを確実にするよう勧告する。

潜在的な内分泌かく乱特性をもつ化学物質の世界的リストを確立すること

 現在、潜在的な内分泌かく乱特性をもつ化学物質の統合リストは存在しない。

提案されるリストは、洗剤や化粧品からコンピュータやおもちゃ、そして農薬まで、現在世界中で使用されている製品中に含まれている内分泌かく乱化学物質を含むであろう。

それは、全ての利害関係者のための情報交換に役立つものであり、定期的に更新されるべきである。

そのリストは、潜在的な内分泌かく乱物質のTEDX リスト[8](訳注1)や、Sin List 2.0 [9](訳注2)のような、既に存在するリストを利用することができる。

政府は、EDCsを特定するための基準の正確性をテストするために、これらのリストを使用しており、内分泌学会により記述された影響の特定を考慮すべきである。

 公衆が利用できるそのようなリストは、全てのEDCsが適切なメカニズムを用いて世界的に十分に対応されることを確実にするのに役に立つであろう。

そのリストは、発展途上国や移行経済国が意思決定に必要な非常に費用のかかかる研究のコストを削減するのに役立つであろう。

そのリストは、政府が最も脆弱な人々の健康を守るために、速やかにそして緊急に行動することを可能にするであろう。

それはまた、産業界による予防的行動を可能にするであろう。

そのリストは、化学物質の川下ユーザーには代替するのに役立つ化学物質のリストを提供し、進歩的な小売業者には回避すべき有害化学物質のリストを提供することになるであろう。

そのようにすることで、化学物質製造者に対してEDCsを廃止する方向に舵を切らせることになるであろう。

環境・健康関連NGOsと科学的研究機関の参加を得ながら、広範な支援、情報交換、ラベル表示要求、及び能力構築のキャンペーンを通じて、EDCsの世界的な意識向上を図ること

 公衆の意識は、EDCsの影響を評価するためのデータを生成するのに役立てることができ、脆弱な集団の曝露を防止するために前進することを可能にし、人の健康又は環境への危害を防止するために適切なメカニズムが正しく用意されることを確実にすることができる。

現在、世界における公衆の意識はツギハギだらけであり、一般的には英語でのみ利用可能である。

公衆の意識を向上させるための情報を普及させ生成するために、世界及び国家のレベルで、広範な支援と能力構築のキャンペーンが必要であり、それは科学的研究機関と環境・健康関連NGOsの参加を含む。

 さらに、製品中のEDCsについての消費者の意識は、川上及び川下の両方において、より安全な製品のための市場を形成するための強い推進力となり得る。

製品がEDCs又はEDCsの混合物を含む場合、ライフサイクルを通じてのEDCsの環境と健康に及ぼす有害性に関する基本的な情報を含むものは非常に少ない。

EDC成分を含めて、化学物質の成分をもっと公表することは、産業界に対して製品からEDCsを除去することを促すことになる。

EDCsの義務的なラベル表示が確立されるべきである。