四級アンモニウム化合物:毒物学評価と許容値4 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・4.毒性・動物データ
大部分のQACs に利用できる毒物学的データは限られている(3-人間の毒性を見よ)。

しかし、一部の広く使われている化合物に関して研究が行われている。

特に塩化ベンザルコニウムのようなグループⅡに属する最もよく研究されたQACsが研究されてきた。

4.1 短期・単一回被ばく
QACs の急性毒性は化合物及び特に投与径路によって異なる。

一部の物質について、LD50値は経口径路より腹腔内又は静脈内径路で数百倍低い。

一方同じグループの化学物質間の毒性は2から5倍の範囲内にすぎない。
少なくとも一部のQACs は経口投与した場合単純な水中より50%ジメチルスルフォキシド中できわめて有毒である(Gloxhuber 1974, Merianos 1991, Gosselin1984)。
おそらく全ての一般的なQACs 誘導体は同じ毒性反応を生じるが、実験動物での試験のように平均的な致死量は下に示す近似限界の間で化合物によって変化した(Gosselin 1984).

吸入
ウィスター系ラットは5.4 mg/リットルの濃度(到達可能な最大)で1時間アルキルジメチルエチルベンジルアンモニウム化合物に曝された。

この濃度は10%の死亡を招いた(Levenson 1965- Cutler & Drobeck 1970から引用)。
最近、セチルピリジニウムに関する全身吸入研究が報告されている。

これはグループⅣに属する異環式QACに属する。

雌雄5尾のラットのグループは4時間0, 0.05, 0.07, 0.13 and0.29 mg/リットル(50, 70, 130 and 290 mg 粉塵/立方メートル)の塩化セチルピリジニウム粉塵を含む空気にさらされた。

粒子の大きさは5μmより小さかった。

LC50は0.09 mg/リットル(90 mg/立方メートル)で上下の95%信頼限界はそれぞれ0.13及び0.07 mg/立方メートルであった。

死亡は全処理グループで生じた(2/10、1/10、8/10 、10/10)。

対照で死亡は見られず、全死亡は被ばく4日以内に起こった。鼻汁及びchromodacryorrhoea (鼻孔周囲の赤い変色)が全被ばくグループで見られ、最初の週の間に一過性の努力呼吸/呼吸困難(高被ばくレベルで最も顕著)が見られた。

残りの動物は14 日後に殺された。

眼の障害(下を見よ)の他に、処理のための肉眼的傷害はこれらの動物で見られなかった。
肺や他の主な器官の組織病理学的検査は行われなかった(Lin 1991)。

著者はLC50レベル(0.09 mg/リットル)で全塩化セチルピリミジウム被ばくは約4-8 mg/kg体重であると計算し、これに基づいて塩化セチルピリミジウムは経口や経皮被ばくよりも吸入被ばくで有毒だろうと推測した。

経口投与LD50
QACs のLD50値はラットで250-1000 mg/kg、マウスで150-1000 mg/kg、テンジクネズミで150-300 mg/kg、ウサギとイヌで約500 mg/kgの範囲内であると報告されている(Cutler& Drobeck 1970, Gloxhuber 1974, Anon. 1976)。

観察された範囲はこれらのどちらかといえば古い実験の研究デザイン及び種々のQACsの間の差を反映する。
経口投与は遅延した死亡及び消化管傷害、呼吸と中枢神経系抑制が特徴である。満腹の胃に投与するとは死亡率が低く、消化管QACs 症状が少ない。

このことは刺激影響という示唆を指示する. (Cutler & Drobeck 1970, Gloxhuber 1974, Merianos 1991, Gosselin 1984,BIBRA 1989)。
QACs の構造と毒性の間の関連を解明する試みの中で、種々の同族体の塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウム(C8-C19)はマウスのLD50 に関して研究された。

この結果はC16 を超える鎖長の増加は急性毒性を顕著に少なくし、定められたメンバーは奇数の炭素鎖のあるものよりも有毒であると思われる。

C16 より上で毒性の減少は水溶性の減少によると示された(Cutler & Drobeck 1970)。
皮膚投与LD50ごくわずかのLD50 データのみが利用できる。

特定されていないベンザルコニウム(グループⅡ)についてラットの約1500 mg/kg 体重のLD50 が報告されている。

マウスで塩化オクタデシルトリメチルアンモニウム(グループⅠ)の1600 mg/kg 体重のLD50 値、及びウサギで塩化セチルピリジニウム(グループⅤ)のLD50値が得られている。
ウサギとテンジクネズミに皮下投与されたCTAB(グループⅠ)は約100 mg/kgでLD50を導く。

皮下に投与された特定されない塩化アルキルジメチルベンジル(グループⅡ)は60から400(ラット)の範囲の値を生じた(BIBRA 1989, RTECS 1998)。
塩化ベンザルコニウムの0.1、1.5、6.5、50% 溶液を2系統のマウスの毛皮に適用した(0.05ml、次にすり込んだ)。

各希釈液は8 匹のマウスに適用した。

6.5%と50%溶液(ほぼ160及び1250 m g/kg/日)体重を投与された96 匹のマウスの29 匹はと魚予後72 時間以内に死んだ。

体重減少は6.5 及び50%のグループで見られたが、さらに低いレベルでは見られなかった。

死んだ動物の剖検は投与場所で皮下の変色と消化管中内容がないことを示した。死因は明らかでなかった(Serrano 1972 - quoted from Anon. 1989)。

皮膚刺激
グループⅠ及びⅡの様々なQAC sの動物試験(ウサギ、テンジクネズミ、ラット、マウス)から、今日まで研究されたQACs は同じような皮膚刺激性を示すという一般的結論が得られた。

一般に、無傷の皮膚に影響を及ぼさない最大濃度は0.1%であった。

0.3-5%溶液は皮膚刺激(紅斑)から壊死に渡る反応を誘導する(Gosselin 1984, BIBRA 1989,Merianos 1991).

感作
塩化ベンザルコニウムの反復した皮膚あるいは皮内投与を含む様々なプロトコル及び0,01-0.3%溶液による負荷はテンジクネズミとマウスで感作を誘導しうる(Anon. 1989,)。

他ので行われた別のBIBRA 1989 QACs 研究は感作作用の兆候を明らかにしなかった(Cutler & Drobeck 1970)。
粘膜と眼眼に対する塩化ベンザルコニウムの有毒影響に関する様々な研究が行われている。

ウサギの眼に異なる濃度の塩化ベンザルコニウム溶液の点眼は、角膜上皮の顕微鏡的変化は0.01%以上で誘導されることを明らかにした。

0.001%は害作用がなかった(Anon. 1989)。
5 種のグループⅠ又はⅡ QACs の検査は0.063-0.125%が「刺激閾値濃度」範囲であることを示した(Cutler & Drobeck 1970)。
2 種類のQACs(塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウム及塩化びセチルピリミジウム)は330 ppm(0.033%)溶液はウサギの眼で刺激を起こさない最大濃度であることを示した(Whitehall 1945 - Merianos 1991からの引用)。
空気中の塩化セチルピリジニウム(グループⅣ)による眼刺激はかって報告された(上記4,1を見よ)。

性あたり5匹のラットのグループは0, 0.05, 0.07, 0.13 and 0.29 mg/リットルの塩化セチルピリジニウム粉塵を含む空気にさらした(50, 70, 130 and 290 mg dust/立方メートルに等しい)。

眼刺激は対照を除く全グループで性あたり1 匹以上で見られた。

角膜や虹彩・結膜の傷害がそれぞれ4/10、4/10、6/10、6/10 で見られた。

眼の傷害の全ては可逆的であった(Lin 1991)。一般に、より調査のアルキルトリメチルアンモニウム化合物は短鎖(C18<C12 のものよりも眼に刺激が少なく、ジアルキルジメチルアンモニウム化合物は対応するものアルキルトリメチルアンモニウム化合物より刺激が少ない。
QACs を研究するためにたまたま適用された粘膜刺激の他の検査に陰茎刺激試験がある。
そのような検査で会7 種のグループⅠQACsが検査された(アルキルトリメチルアンモニウム化合物)。刺激作用は1-10%液の適用後に見られた(Cutler & Drobeck 1970).。

その他
塩化ベンザルコニウム又は塩化ベンゼトニウム(グループⅡ)はテンジクネズミの中耳に注入された。

それぞれの0.1%溶液を10-60 分間中耳に入れた。

9 週間後動物を殺した。両方の化合物で重大な障害は中耳と内耳の両方で見られた。

傷害の程度は被ばく気管と被ばく後の生存期間の両方に関連した(Aursnes 1982)。
骨格筋のクラーレ様の麻痺はQACs、特に塩化ベンザルコニウムとセチルピリミジニウムによるとされた。

ラットやウサギ・イヌで親への非経口投与は即座であるが一過性の四肢麻痺及び時には呼吸筋の致死的な麻痺を起こした。

この影響は一過性であると思われる(Gosselin 1984)。