四級アンモニウム化合物:毒物学評価と許容値2 | 化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 電磁波過敏症 シックスクール問題を中心としたブログです

・2.毒物動態学
2.1 吸収・分布・除去
経口摂取
ラットは14C 標識臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム(CTAB、グループⅠ)を経口投与された。

約80%の放射能は投与8 時間後消化管中に発見され、極少量が血中に発見され、投与した放射能の約2%は投与後の12 時間の間に胆汁中に排泄された。

血漿と胆汁中の低レベルの放射能は、消化管中に見られる大量の放射能と共に、CTAB の腸管吸収が悪いことを示した。

少量の放射能のみが肝臓や腎臓、脾臓、心臓、肺、骨格筋中に見られた。摂取3 日以内に92%の放射能は大便を通じ、1%は尿を通じて排泄された(Isomaa1975a)。

腹腔内投与
14C 標識CTAB を胆管に挿管されたラットに腹腔内注射をすると、24 時間後に放射能の36%が胆汁に、1%が尿中に排泄されたことが分かった。

この研究はCTAB が代謝変化を受けることを示すが、この代謝物は同定されなかった(Isomaa 1975a).妊娠ラットに腹腔内注射後、少量のこの化合物は胎盤と胎児で検出することができた(Anon. 1976)。
皮膚・粘膜・眼への投与塩化ベンザルコニウムは60 mg の塩化ベンザルコニウムを含む膣タンポンを使った女性からの静脈血や母乳のどちらからも検出されなかった(Bleau 1983 - Anon. 1989からの引用)。
ウサギの角膜に塩化ベンザルコニウム14C 液を置いた後、放射能は角膜上皮及び内皮及び間質、結膜に放射能が検出された。

体液や血液を含む他の組織中に放射性物質は見られなかった(Green 1986 - Anon. 1989からの引用)。
正常な皮膚を通したQACsの吸収は重要性は少ない(Cutler & Drobeck 1970, Gosselin1984)、切除したテンジクネズミの皮膚は被ばく時間と皮膚の種類に強く依存する等価係数を示す(Gloxhuber 1974)。

2.2 毒物学的メカニズム
陽イオン性の表面活性化合物は一般に陰イオンや非イオン性の表面活性剤より有毒である。

性に荷電した部分は分子の機能部分であり、QACs の局所刺激は四級アンモニアの陽イオンの結果であると思われる。
脂質膜中のリン脂質とコレステロールを可溶化する相対的能力のために、QACs は細胞死を招くかもしれない細胞の透過性に影響を及ぼす。

更にQACs は陽イオン物質としてタンパク質を変成させるのでタンパク質を沈殿させ、一般的な組織刺激を伴う。
C16 以上の鎖長のあるQACs の急性毒性の低下は水溶性の低下によることが示されている(Cutler & Drobeck 1970, Gloxhuber 1974, Gosselin 1984, Effendy 1995)。
一般に、単一の長鎖のアルキル基を持つQACs はそのような置換基を2 つ持つものより有毒で刺激性である。

最初に述べたもののみが殺菌剤・洗剤として役立つ(Gosselin 1984)。
直鎖脂肪族QACs はミンチにしたテンジクネズミの肺組織からヒスタミンを遊離させることが示されている(Cutler & Drobeck 1970)。

しかし、塩化ベンザルコニウムを用いた研究はヒスタミン遊離に関するこの影響は溶液濃度に依存することを示している。

ラットからの細胞懸濁液(11%の肥満細胞)を低濃度に曝した時、ヒスタミン遊離の現象が見られた。

高濃度に曝した場合反対の結果が得られた(Anon. 1989)。
そのほかに。QACs は中枢神経系の関与がない筋肉麻痺というクラーレ状の性質を示す。
このことは致死量に関与することが最も多い(Cutler & Drobeck 1970, Merianos 1991)。