DDVP(ジクロルボス)論文3 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・3.毒性
DDVP は他の有機リン剤と同様にアセチルコリンエステラーゼやブチル(血漿)コリンエステラーゼの活性を阻害し、アセチルコリンを蓄積させる。

これらの酵素活性は有機リン中毒のマーカーとして利用される。
DDVP 中毒の場合、有機リン解毒酵素として知られているパラオクソナーゼⅠが障害を防ぐと、Wang et al. (2010)はラットにウサギから抽出したパラオクソナーゼⅠを投与して証明した。
この他に、DDVP などの有機リン剤が血中アルブミンと結合することが知られており、有意リン剤被ばくの新規バイオマーカであると報告されている(Peeples et al. 2005)。

急性毒性
DDVP の急性毒性は強く、劇物に指定されている。DDVP の主な毒性機構はアセチルコリンエステラーゼ過剰蓄積による刺激であると考えられている。

DDVP 被ばく経路は経口や経皮・吸入
などである。

樹脂ストリップ製剤(DDVP をしみ込ませたもの)によっても中毒が起こることが知られている(Hummel 2000)。
経口LD50 ラット・雄80 mg/kg雌56 mg/kg経皮LD50 ラット・雄107 mg/kg
雌75 mg/kg吸入LC50 ラット0.198 mg/L


一次眼刺激弱い刺激物一次皮膚刺激弱い刺激物皮膚感作不明急性遅発性神経毒性ニワトリなしEPA (2000)による(Hummel 2000)

急性被ばくとその症状[Anonymous (2001) を見よ]
DDVP 中毒は家庭と農業で広く使われている。カリフォルニア州のデータによると、中毒事故の大部分は、DDVP で処理した後に室内に入って起こっている。

処理した場所やその近くに入る前に十分な換気をしなかったり、適切な個人防備装備をしていなかった場合が多いという(Hummel 2000)。
カリフォルニア州の調査では、建物内でのDDVP 使用による症状は、息切れや呼吸困難・息苦しさ・痛み・集中力喪失・頭痛・めまい・その他が見られるという。

その他の非職業的被ばくでは、呼吸困難や顔や鼻の接触性皮膚炎・結膜炎・頭痛・吐き気・その他の症状が見られた
● 経口被ばく2 時間以内に、次の症状が、出ることが報告されている[Anonymous (2001)を見よ]。
・食欲喪失
・吐き気
・おう吐
・胃痙攣
・下痢
● 吸入被ばく2 時間以内に後に次の症状が発生することが報告される[Anonymous (2001) を見よ]。
・息苦しさ
・喘鳴
・皮膚の青みをおびた脱色
・縮瞳
・眼の中と眼の後ろの痛み
・視覚がぼんやりする
・流涙
・鼻水がでる
・頭痛
・唾液がでる
● 皮膚吸収後に次の症状が15 分から4 時間以内に現れることが知られている[Anonymous
(2001) を見よ]。
・吸収した場所の発汗と引きつり
● あらゆる経路による重症の場合は次の症状が現れる[Anonymous (2001) を見よ]。
・前記の全症状と同じ症状
・衰弱
・全身性のひきつりと麻痺
・めまい
・錯乱
・よろめき
・不明瞭な会話
・全身発汗
・不規則な脈あるいは徐脈
・けいれん
・昏睡
・呼吸停止
慢性毒性
● 有機リンに対するくり返しあるいは長期被ばくは、上記の急性被ばくと同じ影響を生じると思われる(Anonymous 1996)。
● くり返し被ばくした労働者などで報告されているその他の影響(Anonymous 1996)
・記憶と集中力の障害
・失見当識
・重度の抑うつ
・興奮性
・錯乱
・頭痛
・会話困難
・反応時間の遅れ
・悪夢
・夢遊病
・眠気や不眠症
・頭痛や吐き気、衰弱、食欲不振、倦怠感を伴うインフルエンザ様症状
特に敏感な人及び被ばくを避けるべき人[Anonymous (2001) を見よ]
・肺機能低下のある人
・肺結核
・気管支喘息
・慢性的呼吸器疾患
・心血管の疾患と循環障害
・けいれん発作
・抗コリンエステラーゼに最近被ばくした人
・肝機能不全があった人
・18 才以下
・妊婦と授乳中の母親
・中枢神経系に器質的疾患がある人
・精神障害者
・てんかん
・顕著な内分泌及び自律神経障害のある人
・消化性潰瘍
・胃腸炎
・障害
・慢性結膜炎と角膜炎