・B-4 摂食障害の診断と治療ガイドライン2005
厚生労働省精神・神経疾患研究委託費による「摂食障害の治療ガイドライン作成とその実証的研究」班マイライフ社、2005年1月
■B4-1温経湯
疾患:
無月経
引用など:
後山尚久, 坪倉省吾, 植木実, ほか. 第2度無月経への温経湯-メサルモン-F 併用療法時の内分泌変動. 日本不妊学会雑誌 1994; 39: 144-8.
有効性に関する記載ないしその要約:
摂食障害と無月経: 無月経の治療の項に、下記の記載がある。
『妊娠希望の場合は第1度無月経にはクロミフェン療法を第一選択薬とします。3周期反復投与して排卵なき場合は中止とし、第2度無月経とともにゴナトロピン療法 (FSH-hCGあるいはhMG-hCG療法) を行います。他にGnRH律動療法・隔日投与法や温経湯などの漢方療法も有効と考えられます。温経湯はラットの実験で視床下部に作用してLH-RHの放出を促進し、ヒト排卵障害例ではLH律動性分泌を賦活させます。臨床試験成績では、無排卵周期症で69%、第1度無月経で44~62%、第2度無月経で17~24%の排卵誘発効果があり、温経湯とクロミフェン、温経湯とメサルモン併用療法も有効とされます。』
■B4-2芍薬甘草湯
疾患:
薬剤性高プロラクチン (PRL) 血症
引用など:
福島峰子, 成田章子, 一関和子, ほか. 高プロラクチン血症を伴う排卵障害に対する芍薬甘草湯の効果. 和漢医薬学会誌 1986; 3: 227-30.
有効性に関する記載ないしその要約:
摂食障害と無月経: 無月経の治療の項に、下記の記載がある。
漢方製剤の記載を含む診療ガイドライン 2010
日本東洋医学会 EBM 特別委員会 エビデンスレポート/診療ガイドライン・タスクフォース
『薬剤性高プロラクチン (PRL) 血症に対し芍薬甘草湯のPRL低下作用も証明されており、摂食障害の高PRL症例の無月経に対しては選択肢の1つと考えられます。』
■B4-3漢方薬
疾患:
摂食障害
有効性に関する記載ないしその要約:
『平成13年度厚生労働省摂食障害研究班での筆者が行ったCAMの実態調査結果では、アンケート調査をした50名の摂食障害患者のうち44%が何らかのCAMを試みた経験があり、その目的としてはリラクゼーションが最も多く挙げられていました。種類としてはアロマセラピーと指圧あんまマッサージが最も多く、続いて健康食品、漢方薬、鍼灸の順でした。』