2.4GHzと5.2GHz
無線LANは、体のそばに置いたルータから、至近距離で電波を浴びる場合があり、また、インターネットに長時間接続している場合は、被曝量が多くなりがちです。
また、携帯電話の電波より周波数が高い、2.4GHz帯や5.2GHz帯(Wi-Fiの場合)の電波を使っており、人類を含む生物の歴史の中で、このような高い周波数の電波が生活空間に存在するという状況はなかったことです。
文科省は学校への無線LAN導入を推進
既に無線LANが導入されている学校もありますが、文部科学省が2011年4月にとりまとめた、教育の情報化ビジョンにおいて、全ての学校に無線LANを導入すべきとして、おおよそ次のように述べています。
「教員が効果的な授業の実現を図るとともに、子どもたちに必要な情報を表現したり発信したりするなどの情報活用能力を身に付けさせるためには、例えば、電子黒板等の提示用のデジタル機器が早急に全ての教室で活用できるようになることが重要である。
特に、電子黒板は、子どもたち一人一人の情報端末と接続したりすることにより、一層効果的な授業の実現に資することが期待される。
全ての学校で1人1台の情報端末による学習を可能とするため、超高速の校内無線LAN環境について、高いセキュリティを確保した形で構築する必要がある」
電波による健康影響を受けやすい可能性が指摘されている子どもに、わざわざ毎日長時間電波を被曝させるような施策は問題です。
公衆無線LAN
スマートフォンなどの携帯端末の普及に伴い、外出先でもインターネットにアクセスしたいという人たちのニーズに応えようと、公衆無線LANと呼ばれるサービスが2002年から始まりました。
鉄道駅やファストフード店、市役所などの公共施設の中に、無線LANルータを備えたアクセスポイントを設け、電波でインターネットにアクセスできるようにしたものです。
公衆無線LANのアクセスポイントは、ホットスポットとも呼ばれています。
ホットスポットの場所やホットスポットを設けた店舗の入口などには、ステッカーが貼られていることもあります。
公衆無線LANは有償サービスと無償サービスがあり、有償の場合は契約者が利用でき、無償の場合はだれでも利用できます。
アクセスポイントは全国に約13万6000カ所ある(2011年5月現在)とも言われ(http://tkosumi.com/blog/2011/05/1633/
)、全国の主要地下鉄のほとんどの駅、空港、東海道新幹線や成田エクスプレスの車内、喫茶店、飲食店など、ホットスポットは増え続けています。
ソフトバンクは、法人の事務所や店舗を対象に、Wi-Fiルータと専用ADSL回線を無料で設置して、ホットスポットにするサービスを行っています(http://mb.softbank.jp/mb/special/network/sws_router/
)。
VOC-電磁波対策研究会のアンケート調査では、電磁波過敏症発症者75名のうち、2名が無線LANが原因で発症したと回答しました。
家庭内での無線LAN使用は、避けることをおすすめします。また、子どもが通っている学校内などに、安易に無線LANを設置しようとする動きがないか、警戒が必要です。
外出先では、ホットスポットを増やして、電波を利用しやすくする一方ではなく、電磁波過敏症の方などが、電波に被曝しない権利について考慮されるべきです。