・ EUの重要な化学物質規則で規定されている情報とテスト要求は、国際的に合意され確認されたテスト方法で測定することができる広範な内分泌かく乱影響をとらえていない。
現在利用可能で最も感度が高く適切なテストと、感受性が高められた生命の重要なある期間をカバーすることができる曝露摂取テストは実施されていない。
EU加盟国とその他の組織による内分泌かく乱物質を規制するための提案の概観は、ある共通性と合意領域を明らかにした。
議論は、 物質と混合物の分類・表示・包装に関する規制(CLP)(Regulation No 1272/2008)(訳注3)による有効性ベースのカットオフ値に基づく内分泌かく乱物質の取扱いについての提案にある。
そのような値は大きく任意性があり、科学的に正当性があるとはいえない。
規制目的のための内分泌かく乱物質の定義は、有害性と内分泌関連作用モードに関する基準に依拠しなくてはならない。
もっと早い時期の様々な加盟国及びECETOC (欧州化学物質生態毒性および毒性センター)(訳注4)を含む他の組織による提案に基づき、有害影響を生じない、又は内分泌関連作用モードを示さない物質を除外することにより段階的な方法で進める意思決定ツリーアプローチが開発された。
人又は野生生物にとって関連性がないことを示す影響を生成する物質もまた意思決定ツリーから除外した。
最終的な規制決定は、証拠の重みアプローチでの物質の毒性学的特徴の考慮に基づく。
この証拠の重みアプローチは、影響の深刻性と特殊性及び不可逆性のような要素と共に有効性が考慮されなくてはならない。
不動の決定基準としての厳格な有効性ベースのカットオフ値は推奨されない。
データのギャップがある場合にデータ提供のインセンティブを与える手順が示唆される。
内分泌かく乱物質についてのは規制的決定は、今なお開発されるべき証拠の重み手順に依拠しなくてはならない。
研究開発プロジェクトを通じて対応されるべきまだ多くの知識のギャップがある。
緊急になされるべきことは内分泌かく乱物質を特定するためのさらなる方法である。
環境中及び人の組織中に存在する内分泌かく乱物質の全貌を特定するために調和の取れた取り組みがなされるべきである。
次の勧告がなされる。
最近更新された、又は強化・確認された、国際的に認められたテスト手法を、植物防疫薬剤(農薬)の上市に関する1991年指令(PPPR)及び REACH のテスト及び情報要求の中で実施すること。
テストデータの解釈のためのさらなる指針文書を開発すること。
別個の規制クラスとして内分泌かく乱物質(ED)の新設を考慮すること。
”有害性”基準と”作用モード”基準を並行して重み付けるが、これらの基準を評価から物質を除外するために直列に適用することなく利用可能な証拠を扱う証拠の重み手順を開発すること。
証拠の重みアプローチの中で、鉛の毒性、特殊性、深刻性及び不可逆性のようなその他の基準と共に、有効性(potency)を考慮すること。
純粋に科学的な基準によって合意に達するという見込みがないために、当該規制の内分泌かく乱物質のための厳格なカットオフ基準としての”有効性”を捨てること。
OECD概念枠組(訳注5)を越えて、確認されていないテスト方法を含んで、必要なデータの生成をシミュレートする規制カテゴリーを生成すること。
訳注省略