・出展:環境汚染問題 私たちと子どもたちの未来のために
http://www.maroon.dti.ne.jp/bandaikw/
・農薬に過敏な人がいる理由
農薬分解酵素パラオクソナーゼの遺伝的個人差
農薬、特にスミチオンやダイアジノンのような有機燐農薬に敏感に影響を受ける人がいることは良く知られている。
この原因にはシュードコリンエステラーゼ量の低下や、パラオクソナーゼの多形性が関与することが知られている。
有機燐殺虫剤の健康に対する急性影響は良く知られているが、慢性影響については良く分っていない。
パラオクソナーゼ
血液(血清)中にある酵素パラオクソナーゼは、有機燐農薬や神経ガスなどの解毒に重要で、人間や哺乳動物で有機燐農薬などの毒性を決定する重要な因子となっている。
パラオクソナーゼは、タンパク質であり、多数のアミノ酸がつながってできている。
この酵素の55番目のアミノ酸と192番目のアミノ酸に遺伝的変異があることが分かっている。
この部分の変異がパラオクソナーゼ活性に影響することが知られている。この違いが湾岸戦争で一部の人が湾岸戦争症候群に罹患し、別の人が罹患しない理由を説明するかもしれないと考えられている (1)。
英国では、羊浸しをする牧羊者たちの間で、慢性疲労及び記憶喪失、手足の痛み、感情変化などを訴える奇病が発生している。(2)
この病気は有機燐農薬との関連が疑われている。