・農場からの飛散農薬
カリフォルニア州で、農薬を散布する農場の近くに住む移民農場労働者の子どもには、コリンエステラーゼ低下と急性農薬被曝症状が見られています。
子どもの約1/5では、農場で働いていないのに、コリンエステラーゼ値が正常値以下でした。
飛散した農薬に住居で被曝したことが原因であると考えられています。
農薬の被ばく経路は食品や水、空気、泥など多様であるが、その経路ははっきりしていない。
カリフォルニア州のサリナスバレーは重要な農業生産地帯である。
マッコーンら (2007)(ローレンス=バークレイ国立研究所とカリフォルニア大学の研究者)は尿中の有機リン代謝物を測定して約600人のサリナスバレー妊婦の有機リン農薬汚染を調べ、全米の同年代の女性と比較した。
この結果、サリナスバレーの妊婦は平均的なの性よりも有意に多い有機リンを取り込んでいた。
この被ばくの違いは有機リンによる食品汚染よりも空気や水、ほこりなどから有機リンを取り込むことによると結論を下した。
この報告は有機リンの被ばく経路として、食品以外に空気や水などが大きな影響を与えることを示している。
このことは先に述べた富山県衛生研究所の中崎らのグループの研究とともに、私たちの農薬被ばく経路に屋外での農薬使用が有意な影響を与えることを示しており、一般人をも巻き込むような農薬空中散布や街路樹への農薬散布を再考する必要を示している。
ペットの害虫駆除剤
ノミやダニ・その他の害虫の駆除をしたペットと遊ぶと、農薬に被曝することがあります。
ノミカラーやシャンプー・石鹸・スプレーなどの多くのものには殺虫剤が含まれています。
通常のペット用殺虫剤には、ペルメトリンなどのピレスロイド類やクロルピリホスやダイアジノンのような有機リン類があります。
ミズーリ州の238戸の調査では、ペットの50%でノミやダニを駆除するために殺虫剤が使われていたことが分かりました。