・ 表1 食品中の亜鉛含量(可食部100g当たりのmg含量:五訂食品成分表2005より引用) 食品名 Zn Fe Cu Ca P
糸引納豆 1.9 3.3 0.61 90 190
木綿豆腐 0.6 0.9 0.15 120 110
凍り豆腐 5.2 5.8 0.55 660 880
精白米 0.1 Tr 0.02 1 7
食パン市販 0.8 0.6 0.11 29 83
うどん生 0.3 0.3 0.08 18 49
ごま乾 5.5 9.6 1.66 1200 540
さんま生 0.8 1.4 0.11 32 180
まぐろ赤身生 0.4 1.1 0.04 5 270
豚ひき肉 2.5 1.1 0.07 8 170
若鶏むね皮なし 0.7 0.2 0.03 4 200
若鶏もも皮なし 2.0 0.7 0.05 5 190
鶏卵全卵生 1.3 1.8 0.08 51 180
牛乳生乳 0.4 0.1 0.01 130 110
プロセスチーズ 3.2 0.3 0.08 630 730
たらこ生 3.1 0.6 0.08 24 390
しじみ生 0.42 5.3 0.42 130 86
牡蠣生 13.2 1.9 0.89 88 100
ほうれんそう生 0.7 2.0 0.11 49 47
肝硬変の患者は、肝臓でのグリコーゲン貯蔵量が少なく、夜間から早朝にかけて、グリコーゲン分解により、ブドウ糖を十分に血中に供給出来ないので、筋肉を異化(分解)し、アラニンなどのアミノ酸から、糖新生を行い、ブドウ糖を血中に供給する。
従って、夜間、睡眠前に、軽食(200kcal程度の御握り、パン、肝疾患用経口栄養剤など)を摂取すると良いと言う。
夜食を摂ると、筋肉の異化が防止されると言う。
肝硬変の患者は、食後の肝臓での糖取り込みが、減少して、食後高血糖になり易い。
肝血流を確保する為、食後30分間程度、安静にして、臥床することが推奨される場合もある。
肝血流量は、寝た姿勢(臥位)から立ち上がる(立位になる)と、約30%減少し、また、運動すると、約50%減少する。
非代償性肝硬変の患者は、塩分制限を行い、1日の食塩摂取量を、3~7gに制限する。蛋白は、分岐鎖アミノ酸(BCAA)を多く含む、魚肉、鶏肉、乳類を摂取する。
高アンモニア血症を予防する為に、蛋白質制限を行うが、BCAAを含有する肝疾患用経口栄養剤で、不足するアミノ酸を補う(BCAAは、肝臓でより、骨格筋で代謝される)。
肝硬変患者は、肝臓でのアルブミン生成が低下し、低アルブミン血症になる。
肝硬変になると、血液中に芳香族アミノ酸(AAA)やメチオニンが増加し、BCAAが低下する。
肝硬変患者は、高蛋白食を摂取しても、血清アルブミン値は上昇せず、むしろ、アンモニアが上昇してしまい、高蛋白食が、肝硬変の治療に、有害な場合がある(蛋白不耐症)。
肝硬変患者にBCAAを投与する(内服させる)と、同じ量の蛋白(ラクトアルブミン)を投与した場合より、食欲やQOLが改善し、肝不全など、肝硬変合併症が少ない。
BCAAは、mTOR(mammalian target of rapamycin)分子を介して、蛋白合成を促進させる。
肝硬変患者は、夜間就寝前に、軽食(late evening snack)を摂取すると、夜間の空腹時間が短縮され、夜間の蛋白合成が増加する(糖新生による筋肉の分解が抑制される)。