飲酒とアセトアルデヒド | 化学物質過敏症 runのブログ

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・出典:脂質と血管の医学
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・飲酒とアセトアルデヒド

 【ポイント】 
 アルコールは、肝臓で、毒性のあるアセトアルデヒドを経て、無毒な酢酸に分解される。
 常用飲酒などは、アルコール代謝で生成されるアセトアルデヒドにより、肝細胞を障害し、アルコール性肝硬変など、重篤な病気を招くおそれがある。飲酒に際して、偏食したりし、栄養障害(ビタミン類や蛋白質摂取の不足)に陥ると、アルコールの肝障害作用が、増強してしまう。
 緑茶に含まれるカフェインや、ゴマに含まれるセサミンは、アルコールの分解を促進させる。コーヒーは、毎日1杯以上飲用すると、アルコール性肝硬変の発症を抑制する。


 1.アルコールの肝細胞内での代謝
 飲酒で飲まれたアルコール(エタノール:CH3CH2OH、エチルアルコール)は、中枢神経系に対して、酩酊を来たすが、アルコール自体には、肝毒性はない。
 肝臓では、アルコールは、主に、アルコール脱水素酵素により、毒性のあるアセトアルデヒドに分解されるが、カタラーゼや、MEOSによっても、分解される。

 1).アルコール脱水素酵素
 アルコールは、体内では、肝臓で、主に(90%)、肝細胞内(ミトコンドリア内)に局在するアルコール脱水素酵素(アルコールデヒドロゲナーゼ:ADH)により、代謝され、肝毒性の強いアセトアルデヒド(:AcH)に分解(酸化)される(主経路)。
  アルコール脱水素酵素(ADH)は、95%以上が肝臓に存在する。

アルコール脱水素酵素(ADH)は、肝臓でも、肝小葉中心部の肝細胞(肝静脈寄りのperivenous cells)に、多く存在する。

肝臓が、循環不全や呼吸不全の結果、低酸素性肝障害や虚血性肝障害を来たすと、肝小葉中心性肝障害が起こり、血清中のアルコール脱水素酵素(ADH)値が、上昇する。

アルコール性肝障害は、肝小葉中心性肝障害だが、血清中のアルコール脱水素酵素(ADH)値は、あまり、上昇しない(慢性障害に急性障害が加わる為)。

血清中のアルコール脱水素酵素(ADH)値は、ウイルス性の急性肝炎や慢性肝炎、肝硬変では、低値を示す。
 アルコール脱水素酵素(ADH)は、胃、十二指腸、腎臓、脳、心臓、網膜などの組織にも、僅かに存在する(活性がある)。

 2).カタラーゼ
 ペルオキシソームに存在するカタラーゼは、アルコール(エタノール)を、過酸化水素(H2O2)を気質にして、アセトアルデヒドに分解する(副経路)。
 過酸化水素(H2O2)は、活性酸素の1種で、ペルオキシソームで、脂肪酸がβ-酸化される時に、発生する。
 ペルオキシソームのβ-酸化系の酵素活性が、適応的に誘導された人では、摂取したアルコールの半分近くが、カタラーゼにより、分解される。

 3).MEOS 
 一部のアルコールは、肝ミクロゾームエタノール酸化酵素(MEOS:シトクロムP-450依存性モノオキシゲナーゼ)により、代謝される(副経路)。
 MEOSは、滑面小胞体(ER)に存在し、シトクロムP450(注1)が関与する。
 MEOSも、カタラーゼと同様に、アルコール常飲者では、酵素活性が、適応的に誘導され、高くなるが、正常人では、酵素活性は、低い。
 MEOSにより、アルコールが、アセトアルデヒドに代謝されると、NADPH2+がNADP+に酸化される。