農薬と神経系4 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・その他
 
パーキンソン病 
パーキンソン病は運動の減少や筋肉の緊張の亢進・ふるえが特徴とされる病気で、黒質と呼ばれる脳の一部の神経細胞が変成し、神経伝達物質のレベルが低下していることがわかっています。
 
パーキンソン病の原因としては脳炎やマンガンなどの重金属・一酸化炭素中毒・外傷など様々なものが考えられています。
 
アメリカの学生が自分で覚醒剤を作って使用していたところ、パーキンソン病が発症しました。

これは覚醒剤合成中に誤ってできた不純物MTPTが原因と分かりました。MTPTは除草剤のパラコートと構造が似ています。

このため、パラコートなどの除草剤使用とパーキンソン病の関係が調べられました。
 
いくつかの疫学研究では、パラコートのような除草剤に被曝した人でパーキンソン病の発病が増加していることが報告されています。
 
パーキンソン病の特徴は、ドーパミンを神経伝達物質として使っている脳の黒質の細胞の変性です。

最近(1999年)、米国のロチェスター医科歯科大学のブルークらのグループは、パラコートが黒質の細胞に影響を与えるか否かを調べました。
 
パラコートをマウスに投与すると、マウスの歩行運動が減少することが分かりました。

脳を調べたところ、黒質のドーパミンを使っている神経細胞が減少し、黒質の神経細胞が神経線維を送っている線条体で、ドーパンミンを神経伝達物質として使っている神経の末端(終末)の密度も減少したことが分かりました。

影響はパーキンソン病を起こすことで知られているMTPTと同じものでした。この結果は除草剤パラコートとパーキンソン病との関連を示しています。
 

先天障害
 
ある種の農薬に父母が被曝すると、無脳症や口蓋裂・四肢の奇形・胆道閉鎖症(胆管の欠失あるいは低形成)・心臓障害・顔面や目の奇形のような先天障害を起こすことが報告されています。
 
農業地域で生活したり労働したりすること、先天障害を持った子供を出産するリスクが増加することをいくつかの研究が示しています。

カリフォルニア州で、農業生産性の高い郡(カウンティ)あるいは農薬使用が多い郡に住む母親は、農業生産性が低く農薬使用も低い地域に住む母親より、四肢の障害のある子供を産むリスクが大きいことが知られています。
 
アイオワ州とミシガン州に住む妊婦の研究では、複数の農薬に母親が被曝すると子どもで口蓋裂のリスクが増加することが発見されています。
 
ミネソタ州での新しい研究では、個人的な農薬散布者の子どもと、クロロフェノキシ系除草剤と殺菌剤が最も頻回に使われる州の地区とで、先天性障害発生率が有意に増加することが知られています。