農薬と神経系 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・農薬と神経系
神経系の異常
 
幼い動物での実験では、生まれる直前あるいは直後の神経系が発達している時期に、農薬被曝が起こると、農薬は神経機能を変化させ微妙な神経行動学的障害をおこすことが証明されています。
 
学習能力や活動レベル・記憶・情動・視力・聴覚などが影響を受けます。有機塩素や有機リン・カーバメート・クロロフェノキシ系除草剤・ピレスロイドのような大部分の農薬は実験動物の発達中の神経系に悪影響を与えることが知られています。
 
クロルデン被曝
 
1995年に発表された南カリフォルニア大学のキルバーンとソーントンの論文によると、シロアリ駆除剤クロルデンに被曝した住民の調査では、神経系への影響の他に気分状態の変化が見られ、緊張や抑うつ・怒り・疲労感などが強まり、逆に活気が失われるなどの様々な神経や精神への影響が報告されています。
 
日本ではクロルデンの使用は現在禁じられていますが、クロルデンの影響は数十年残るといわれています。

EPAの基準と比較した場合、散布数年後でも日本の家屋内のクロルデン濃度は数倍も高く、住宅地の野外でも基準より高いことが知られています。

かって散布したクロルデンが現在でも影響を及ぼしている可能性があります。
 
幼年期被曝による過敏性
 
1997年、スェーデンのウプサラ大学環境毒物学講座のエリックソンは、生まれたばかりのマウスに対する環境中の毒物による影響を報告しています。
 
エリックソンによると、動物の発達には正常な成熟をするために決定的に重要な時期があります、そのような時期は出生前の脳が発達する時期にもあり、この時期には多くの生化学的変化が起こって、 胎児の脳を成熟した脳に変化させます。
 
エリックソンのグループは、微量の環境汚染物質を脳の急速に発育する時期にマウスに投与すると、成熟した脳で不可逆的な変化が起こることを発見しました。

投与した環境汚染物質は、DDTやピレスロイド・有機燐・ ニコチン・パラコート・PCBなどでした。
 
成熟しても見られる行動異常やアセチルコリンを神経伝達物質として使う系の障害は、生まれて10日目頃に投与した場合に限られ、その後に投与しても成熟しても見られる影響は生じないことを発見しています。
 
微量の神経毒に生まれたばかりで被曝すると、成熟してから同じような神経毒作用を持つ物質に対する過敏性が増加し、行動異常や学習障害を引き起こすと、エリックソンは述べています。