食品における金属について11 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・10. クロム(chromium)Cr
来 歴
クロムは1798年にN.L.Vauquelinによって発見された。

単体で天然に存在することはなく、複合した状態で地殻中に0.1~0.3ppm含まれる。

クロム鉄鉱は、クロムの唯一の重要鉱石である。
エメラルド、蛇紋石、含クロム雲母の緑色や、ルビーの赤色はクロムによる。
ヒトの必須微量元素で、グルコース代謝に関係している。
クロムは通常3価か6価の状態で存在する。


中毒症状・毒性
6価クロムの有害作用には皮膚粘膜の刺激(炎症)と腐蝕(潰瘍形成)、感作(皮膚炎、喘息)、発癌(肺癌など)がある。

皮膚、粘膜の腐蝕作用は6価クロムの強い酸化力によると考えられる。

6価クロムは皮膚透過性が大きく、皮膚組織内で3価に還元され、感作を起こすと考えられている。


代 謝
6価クロム化合物のような水溶性化合物の粒子やミストは速やかに血液に取り込まれ臓器内に移行するが、不溶性粒子、たとえばクロム鉄鉱はマクロファージに取り込まれて徐々に除去される。
消化管での3価クロムの吸収率は非常に悪く、ラットで投与の1%以下、ヒトでは0.5%以下から3%の範囲、クロム酸塩(6価)の場合にはラットで3~6%、ヒトで約2%とされる。
クロムは新生児および成人のすべての器官に存在する。

年齢別に見ると新生児で最も濃度が高いが、肺では20歳以降加齢とともに増加傾向を示す。

これは大気中に存在するクロムが吸入され吸収されずに、そのまま肺胞に沈着するためと考えられる。

通常、成人のクロム全身蓄積量は数㎎といわれ、臓器別の分布は、肺についで気管、小腸、大腸に多い。
生体内に取り込まれたクロムは尿および分から排泄され、尿からの排泄が主要な経路で、少なくとも80%が排泄される。

糞便へのクロム排泄はヒトで投与量の0.5~20%とされている。


食品衛生上の注意点
現在の所大きな事故もないが、製造用具などにメッキをして事故を起こしたこともあることから食品用に用いないよう留意する必要がある。

クロムが0,1ppm以上含まれる食品