・●米ルイジアナ州、ザリガニ被害でバイエル社を提訴
米国ルイジアナ州では、1500のザリガニ業者と土地所有者たちが、フィプロニルを含む製剤ICONによるイネの種子処理(消毒)によって、沼などの水系汚染と土壌汚染、そして、ザリガニが被害を受け経済的打撃を受けたとしてバイエル社を提訴しました。
2004年、この問題はバイエルが賠償金($45million)を支払うことで決着しました(Beyond Pesticides: Daily News Archive 2010)が、フィプロニルが水系生物に対しては毒性がきわめて強いということは、すでに国際化学物質安全カード(WHO/IPCS/ILO) にも記されています。
●仏政府、ミツバチを殺すだけでなく、人間にもリスクがあると結論
フランス政府は、かつてイミダクロプリドでヒマワリなどの種子消毒の後にミツバチが大量死したように、2003年にはフィプロニルによるヒマワリの種子処理(消毒)が原因と見なされるミツバチ大量死が起きました。
そして同年12月にはフィプロニルの急性毒性を指摘する研究が発表されました。
その研究は人間へのリスクにも及び、国立科学研究センター(CNRS)の研究者は、フィプロニルの大気中の存在はミツバチを殺すだけでなく、人間にもリスクがあると結論を出しました。
こうして翌2004年、フィプロニル製品の販売停止がフランス司法官によって命じられました(農業情報研究所WAPIC)。
詳細:ダイオキシン国民会議ニュースレターVol.66
「日本のトンボを消す“浸透性農薬”―フィプロニルとイミダクロプリドの脅威―」
ネオニコチノイドと斑点米斑点米とネオニコチノイド系農薬大量散布の問題稲に寄生する害虫、カメムシ。
稲のモミの中に口を差し込みデンプンを吸います。
吸われた後の米粒には黒い斑点が残ります。
これが、斑点米です。
この斑点米が少しでも混ざると(1000粒に2粒あると、価格が60kgあたり600円から1000円低下するとされる)、農産物規格検査で等級が下げられ、農家の収入減につながります。
そのためカメムシ防除のため、農薬を散布することになります。
カメムシ防除のための農薬、クロチアニジン(ダントツ)によるミツバチの大量死が報告されています。
農産物検査規定がカメムシ防除のための農薬大量散布につながっているとして、検査制度の見直しを求める声が、生産者から強く出されています。