フェニトロチオンの毒性10 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・7. 生殖毒性
生殖影響:核膜への障害、細胞の染色性の減少・異常な有糸分裂の増加が、妊娠のはじめ15日の間、毎日LD50 量の0.1、0.2 を投与したラットから採取した、線維芽細胞の単層培養で報告されている。

しかし、この結果は投与量に関係なく、増殖率や有糸分裂相の分布で対照と差がなかった。
フェニトロチオンの分解産物はフェニトロチオン自体より生殖に影響を及ぼすことが知られている。

マウスで変性産物の影響を調べるために実験を行った。pH8、pH 10、pH14 に調節した、フェニトロチオン(MEP)乳剤を自然の日光に曝して変性させた。

生理的食塩水と未処理のMEP乳剤・3 種類の変性溶液が実験化学物質として準備し、妊娠日から15 日まで1 日に1 度妊娠マウスの背中の皮下に0.1 ml/10g 体重の量を投与した。

それぞれの投与には20、40、90 mg/kg 体重の変性溶液のMEP を含んでいた。LD50 はベーレン法によって決定した。

pH 8 変性溶液の40および90 mg/kg 体重のMEP では妊娠18 日の平均胎児重量は、それぞれ1.09 と1.16 g で、未処理のMEP 乳剤(1.27 g)より有意に軽かった。

さらに、3 種類の変性溶液のLD50 値は60-120 mg/kg体重であり、未処理のMEP 乳剤のLD50 値(410 mg/kg 体重)よりずっと低かった。

これらの結果は、日光に曝して変性させたMEP 乳剤の変性産物は成熟したマウスと胎児の両方に影響が強いことを示している。
妊娠6-15 日の親ラットにフェニトロチオンを一日に致死量の0.3%-5.2%(3-45 mg/kg)を投与した。

30 mg/kg 投与では、胎児の再吸収と着床後の消失が増加した。

15 および30 mg/kg 投与では、胎児と子供の脳室拡大が見られた。

30 mg/kg 投与では胸骨と頭蓋の骨化の遅れと、体重と
体長の減少が見られた

8. 催奇性
妊娠6-18 日にゼラチンカプセルに入れた0、0.3、1 mg/kg/日のフェニトロチオンを投与したアルビノウサギで、催奇性影響は観察されなかった。


フェニトロチオン被曝後の催奇的影響は、ウサギやラット・マウスの二世代研究で気づかれていない。

ニワトリの卵に0.1%フェニトロチオン注射は孵化したひよこの脚の脱力・指の丸まり・異常歩行を起こす。

フェニトロチオンはカエルのオタマジャクシと胚に有毒で催奇性がある。着床した胚の死亡割合はフェニトロチオン被ばくマウスで増加しない
マウスでフェニトロチオン1 g/kg の注射は精原細胞の染色体異常の割合を増加させない。