・5.「食後の中性脂肪が上昇しにくい、または体脂肪がつきにくい食品」
トクホを利用する前に心がけましょう (基本的事項)
このトクホの中では調理油類に関心が集まっていますが、トクホだからといっても利用する量が多ければ、エネルギーの摂り過ぎにつながります。まずは食事内容を見直して脂質の摂取量を抑え、適切な栄養バランスを心がけましょう。
食物繊維・不飽和脂肪酸が多く含まれる食品を使ったメニューはこちらをご参照ください。
トクホの特徴と利用上の注意 (効果的な利用方法)
このトクホの有効性を確認する試験では、一般にトクホを含めた脂肪摂取量を同年代の平均以下に制限した上で、一般的な製品とトクホを置き換えて結果を得ています。
ある試験では、管理栄養士などの専門家から食生活や脂質摂取について十分な指導を受けた上で、試験期間中の食事の脂質摂取量を総エネルギーの23%に抑えています。
当時の国民栄養調査 (7) によると、試験対象者と同年代の平均脂質摂取量は27%でした。
つまり脂質摂取量を制限した条件で試験が行われたことがわかります。
トクホであっても脂質摂取量を制限しなければ効果は得られないのです (12) (26) 。
脂質の摂取量を控えた上で従来の製品に置き換えてトクホを適量利用すれば、関与成分にもとづいた期待できる効果が得られると考えられます。
関与成分には、ジアシルグリセロール、茶カテキン、グロビンたんぱく分解物、IPA (イコサペンタエン酸) 、DHA (ドコサヘキサエン酸) などがあります。
6.「骨の健康維持に役立つ食品」
トクホを利用する前に心がけましょう (基本的事項)
骨の健康維持にはカルシウムの十分な摂取が欠かせません。
しかし、カルシウムは十分な摂取が難しいミネラルで、平成20年国民健康・栄養調査の結果によると、このトクホの有効性を確認した試験対象者と同年代の女性の通常の食品からのカルシウム摂取量 (1日あたり) は30~49歳で428~457 mg (食事摂取基準での推奨量は650 mg) 、 50~69歳で528~564 mg (同650 mg) にとどまっています。
また、強化食品・補助食品からのカルシウム摂取量 (1日あたり) はそれぞれ6~7 mg、7~9 mgでした (8) (9) 。
この結果から、閉経を迎える年代の女性はそれまでの年代に比べて積極的にカルシウム摂取を心がけている様子が伺えます。
しかし、骨の健康維持にはカルシウム摂取だけでなく、ビタミンD、ビタミンKの十分な摂取も望まれます。
また、適度な運動や日光に当たる時間を確保することも大切です (5) 。
特に適度な運動負荷をかけることは骨量増加のために重要です (10) 。骨の健康は一朝一夕では得られません。若年期からの食生活や運動が将来の骨量に影響することを意識して、骨の健康維持・増進に努めましょう (10) 。
カルシウムが多く含まれる食品を使ったメニューはこちらをご参照ください。
トクホの特徴と利用上の注意 (効果的な利用方法)
このトクホには、骨の形成に必要なビタミンKを多く含む製品や、骨からのカルシウム溶出を抑制する成分を含む製品などがあります (27) (28) 。
カルシウムやビタミンD、ビタミンKの十分な摂取と適度な運動に加え、このようなトクホを併用すると、より骨量減少や骨粗しょう症のリスクを回避できると考えられます。
特に骨の健康に支障を来たしやすい高齢者では、食事量そのものが少なく、摂取できる栄養量も少なくなりがちです (5) 。
食事や運動に併せて上手にトクホを利用しましょう。
関与成分には、ビタミンK、大豆イソフラボン、MBP (乳塩基性たんぱく質) などがあります。