続・増える環境過敏症(2)森の避難施設で回復 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・出典:YOMIURI ONNRINE
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(2011年11月21日 読売新聞  )
福島県の南西部に位置する緑豊かな南会津町。

ここに、化学物質や電磁波の影響に悩む人たちを対象とした町営避難施設「あらかい健康キャンプ村」がある。

森の中の小学校跡地に、国などの補助金で木造校舎の一部を改装した2階建て施設と、7棟のログハウスが立ち、一度に12人(冬季は6人)が生活できる。

開設は2007年。建物は、化学物質を含まない木材を使い、携帯電話の電波が届かない場所に建てた。

1泊2食付き約6000円。農薬散布の時期には、全国から「苦しくて家にいられない」人が駆け込む。

同施設管理人の池谷純仁(すみひと)さん(46)も、「過敏症」の経験者だ。横浜市で会社を経営していたが、04年、事務所に無線LANを導入した途端、体中に湿疹が出た。

数か月たっても治らず、頭痛や耳鳴りも続いた。

病院で自律神経の乱れが分かり、「電磁波過敏症の可能性がある」と指摘された。以後も、蛍光灯をつけると苦しくなるなど症状が悪化。

合成洗剤のにおいで吐き気を催し、化学物質過敏症の症状も表れた。

家族と離れて神奈川県箱根町の古いマンションに移り、電気のブレーカーを落として生活した。

その時、本で知ったのが食事による体質改善。早速、有機野菜中心の食事に変えると、半年で劇的に回復した。
「今は日常生活に支障はない。
発症時は過労や外食続きで体が弱り、電磁波などの影響を受けやすかったのかも」と振り返る。

この体験後、会社経営から退き、過敏症の避難施設づくりを計画。南会津町の前町長がこれに賛同し、同施設が生まれた。

4年間の利用者は延べ約5000人。

日々の食卓には無添加食材の一汁三菜が並ぶ。

今年は、東京電力福島第一原発事故の影響が心配されたが、幸い放射線量は低くとどまっている。

堺市出身の古村美樹さん(44)は、1994年以降、脚などの筋肉が急に衰えて立てなくなった。

主治医は「原因不明。長く生きられない」と宣告。

化学物質過敏症と分かったのは、05年のことだった。

10代の時から、家の建材などから揮発する化学物質を浴び続けたのが原因とみられた。
09年、同施設に来てすぐ、「空気を思い切り吸っても苦しくならないことに感動した」。

玄米菜食も体に合い、数か月で歩けるようになった。

現在は施設で暮らしながら、近くの飲食施設で働いている。
池谷さんは「過敏症は適切な療養で回復し、ここに一時避難した人の多くが社会復帰している。各地に避難施設ができるよう行政などに働きかけたい」と話す。