・出典:文部科学省HP
http://www.mext.go.jp/
・「シックハウス症候群」が発生した場合の対応
学校内において児童生徒等及び職員に「シックハウス症候群」と考えられる健康障害が発生した場合、第一に求められる対応としては原因となる物質等の低減であり、換気を行うことにより症状が軽快することが少なくありません。
しかしながら、症状によっては、医師による専門的な治療が必要な場合も考えられることから、緊急対応可能な地域の基幹病院等の受け入れ先を確保することが大切です。
また、健康被害の拡大を最小限に留めるためには、原因となる物質等の発生源を可能な限り早期に解明することが必要です。
「シックハウス症候群」の治療や根本的な原因の究明には、医学や環境衛生の専門家の関与が不可欠ですが、初動活動を行う養護教諭や学級担任等が「シックハウス症候群」に関する基礎的な知識を習得する必要があり、そのための啓発活動には校長や保健主事を中心とする校内組織の整備、また教育委員会等による指導が求められます。
1 「シックハウス症候群」の早期発見及び対応のための方策
(1)組織体制の整備
「シックハウス症候群」の早期発見及び対応には、学校における全ての職員が「シックハウス症候群」の典型的な症状等を認識していることが望まれます。
そのためには、校長の下、保健主事及び養護教諭等が推進者となって校内研修を計画することが有効であると考えられます。
校内研修では、学校薬剤師・学校医等の専門家による学校における環境衛生の管理や「シックハウス症候群」及びいわゆる「化学物質過敏症」について指導を受けることが効果的です。
また、「シックハウス症候群」が疑われる事例が発生した場合を想定して校内体制を確立したり、緊急時の対応の確認をしたりすることは、学校における危機管理体制の確立とその活動の徹底を図るよい機会にもなります。
教育委員会等は、「シックハウス症候群」やいわゆる「化学物質過敏症」等に関する情報の収集を行い、研修等を通じ、所管の学校への情報提供が求められます。
また、教育委員会等は、学校が「シックハウス症候群」に関する諸問題に的確に対応できるように、保健所等の化学物質と健康に関する専門知識や技術を持つ関係団体や機関から助言・協力を得らる
体制作りが必要です。
(2)日常の健康観察
学校における「シックハウス症候群」の早期発見のためには、日常の教育活動を通して児童生徒等の健康観察を行い、共通の教室(部屋)使用後又は共通の物質に接触した後に複数の児童生徒等及び職員に様々な身体的・精神的症状が現れていないか留意する必要があります。
また、校庭での農薬散布や水泳授業の開始等、児童生徒等を取り巻く環境等変化には注意が必要です。
「シックハウス症候群」は、一般的に学校の新築・改築・改修及び床のワックスがけ等特別なことを行ったときに発生する化学物質が問題になることが多いものの、室内の温度・湿度環境、カビ・細菌による汚染及び家具や什器等の臭いへの反応等様々な要因が複雑に関与しているものと考えられます。
そのため日常、児童生徒が訴える身体的・精神的症状に対し
て学年・組・場所・時間帯等に一定の傾向が見られる場合、対応策を検討する必要があります。