原発と電磁波 | 化学物質過敏症 runのブログ

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YOMIURI ONLINEより
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原発と電磁波
2011年6月20日


化学物質過敏症 runのブログ-11

6月19日の朝刊「教えて!ヨミドクター」で、携帯電話の電磁波の健康影響について書きました。

脳腫瘍の発がん性は、まだ明確になったわけではなく、「可能性がある」という段階です。

必要以上に恐れ、使用をやめてストレスをためるのはよくありません。

 しかし、この件を取材していると、原発の問題と同じにおいを感じることがあります。

十分な安全対策なしに、思い込みで「安全」と言い続けた人々と、携帯の電磁波を「現段階では安全」とする人々の姿が、私の中ではピッタリ重なるのです。

 そこで、原子核物理学が専門で電磁波にも詳しい元京都大学工学部講師の荻野晃也さんと、この問題について考えてみました。


 ―― 海外では、携帯電話をあてている側の耳に、脳腫瘍ができやすいという研究がいくつもあります。

しかし、国内の研究では影響がなかったとされています。

どちらを信じたらいいのでしょう。

 


海外では、電磁波は第2のたばこ問題とまで言われることもあるのですが、国内ではほとんど報道されませんね。海外でも、携帯電話の電磁波に発がん性がないとする研究もあります。ただ、ないという研究を調べてみると、関連業界から研究費が出ているなど、複雑な背景が浮かび上がることもあります。

 国内でも、影響ありという結果を出している研究者もいるんですよ。

ただ、どういう背景があったのか私は知りませんが、国内では結果が公にならず、海外の論文で発表されただけでした。

ある、なしの研究を出し合い、検討し合えばよいのに、なぜか日本では、このような研究で「あり」という結果を出すと、その研究者はつぶされる傾向がありますね。


 ―― 生々しいですね。



そういえば、電力設備などから出る超低周波が、小児白血病のリスクを高めるのではないかと懸念され、国立環境研究所などが全国の大学病院などの協力を得て、疫学調査をまとめたことがありました。

結果は、「リスクを高める」というものだったのですが、この研究の国内評価はひどいもので、オールCがつけられました。

ところが海外では、この研究は非常に高い評価を受けています。

2006年11月の本紙「環境ルネサンス」では、そのへんの経緯が詳しく報告されており、研究の中心となった故・兜真徳さんの「国や業界は『寝た子を起こすな』という姿勢だ」というコメントが印象に残っています。

 あの環境ルネサンスは、非常によく取材をしていましたね。御用学者だけでなく、真面目な学者がもっと重んじられる国になって欲しいものです。


 ―― 携帯の電磁波の影響で、脳腫瘍以外に懸念されているものとして、精子の減少があります。海外ではかなり報道されているようですが、どうなのでしょう。

 


「影響あり」という論文は、私が確認したものだけでも世界で60以上あります。国内の研究はほとんどないのですが、ウサギを使った研究で、影響ありと出たものがあります。

確定的なことはまだ言えないにしても、携帯電話をポケットに入れっぱなしにするのはお勧めできませんね。


 ―― 子どもの携帯使用についてはどう考えたらよいでしょう。

 


子どもは頭蓋骨が薄い上、脳の水分が多いため、電磁波が内部まで浸透しやすいのです。

影響があるとすれば、より大きくなります。そのためイギリス政府は、「16歳以下の緊急時以外の使用を控え、8歳以下は使用禁止」という勧告を出しています。

フランスやロシア、スウェーデン、イスラエルなどでも、使用制限などの勧告が出ています。


 ―― 携帯を使うなと言っているわけではなく、発がんにつながる「可能性がある」という段階ですから、念のため通話を短くしたり、イヤホンマイクを使ったりすると安心ですと、ただそれだけのことなのに、なぜ国は、その程度のことも国民に言えないのでしょうね。

 


この国に大きな期待はできません。電磁波が側頭部に吸収される量は、SARという値で示され、携帯電話ごとに異なります。

携帯電話会社のホームページに一覧がありますから、確認するとよいでしょう。

 本来は携帯電話の箱など、もっと目立つ所に掲示するべきですが、国が乗り気ではないようです。

国は「販売されている携帯はすべて国の基準以下。

だから安全」という姿勢なのです。

少なければ少ないほど、脳への影響は少ないはずなのに、そういう考えはないわけです。

国の基準をわずかでも下回れば、すべて安全と、今回の原発事故でも繰り返していた論理です。

日本よりも、SARの基準が厳しい国はいくつもあるのですが。


 ―― 荻野先生はもともと原子力の専門家でもあるわけですが、今回の福島第一原発の事故について、どんな思いを抱いていますか。

 


不幸中の幸いだったのは、京大にまだ小出君(小出裕章・原子炉実験所助教)と今中君(今中哲二・原子炉実験所助教)が現役でいてくれたことです。

小出君は、3月15日の東京の放射線量を測り、圧力をはねのけて大きな値を公表しました。

今中君も、いち早く飯館村の高い放射線量を指摘しました。もし彼らが現役でいなければ、国の発表はさらに遅れていたでしょう。

 私も3月16日に東京を歩く機会がありました。

つけていたマスクを小出君に送り、調べてもらったところ、高い値が検出されました。

放射能汚染が遠方まで及んだ15日の前後、国がいち早く東京でも注意を呼びかけ、できるだけ室内にとどまることや、外出時にはマスクをすることを勧めていれば、都民の内部被爆量はもっと減らせていたでしょう。


runより:一年ほど前の記事ですが今とそう変わらないのが現状です。

国は木を見て林を見ずという言葉を知らないのかな?