平成16年度環境省化学物質過敏症研究報告書4 | 化学物質過敏症 runのブログ

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2) 平成15 年度症例の曝露試験結果(表-1 参照)
・ 症例1について
プラセボ負荷前後、曝露1 負荷前後では、有意な症状の変化は認められなかった。

曝露2 負荷前後では、負荷後に有意な症状の増強が認められた(p=0.028)(不完全なType 1)。

負荷後の3 群比較では、プラセボ負荷後、曝露1負荷後、曝露2 負荷後の症状の強さを比較すると、Freidman検定では、3 群間に差が認められていたが (p=0.041)、ボンフェローニの不等式で訂正した場合、3 群間の症状に差は認められなくなった。
・ 症例2について
プラセボ負荷前後、曝露2 負荷前後では、症状の強さに有意な差は認められなかった。

曝露1 負荷前後の比較では、曝露後に有意な症状の増強が認められた (p=0.011)(不完全なType 1)。

負荷後の3 群比較では、プラセボ負荷後、曝露1 負荷後、曝露2 負荷後の症状の強さを比較すると、3 群間に症状の強さの違いは認められなかった。
・ 症例3 について
プラセボ負荷試験、曝露1 負荷前後、曝露2 負荷前後の全てで、症状の強さに有意な差は認められなかった(Type は3)。

負荷後の3 群比較では、プラセボ負荷後、曝露1 負荷後、曝露2 負荷後の症状の強さを比較すると、3 群間に症状の強さの違いは認められなかった。
・ 症例4 について
プラセボ負荷試験、曝露1 負荷前後、曝露2 負荷前後の全てで、症状の強さに有意な差は認められなかった(Type は3)。

負荷後の3 群比較では、プラセボ負荷後、曝露1 負荷後、曝露2 負荷後の症状の強さを比較すると、3 群間に症状の強さの違いは認められなかった。
・ 症例5について
プラセボ負荷前後では、有意な症状の変化は認められなかった。

曝露1 負荷前後、曝露2 負荷前後では、有意な症状の増強が認められた(曝露1・p=0.017、曝露2・ p=0.030)。

この被験者では、プラセボに反応せず、曝露で症状が強くなるパターンを呈している (Type 1)。

負荷後の3群比較では、プラセボ負荷後、曝露1 負荷後、曝露2 負荷後の症状の強さを比較すると、3 群間の症状に強さの違いは認められなかった。
・ 症例6 について
プラセボ負荷試験、曝露1 負荷前後、曝露2 負荷前後の全てで、症状の強さに有意な差は認められなかった(Type は3)。

負荷後の3 群比較では、プラセボ負荷後、曝露1 負荷後、曝露2 負荷後の症状の強さを比較すると、3 群間に症状の強さの違いは認められなかった。
・ 症例7について
プラセボ負荷前後では、負荷後、有意な症状の増強が認められた(p=0.045)。この被験者では、プラセボのみで症状が強くなるパターンを呈している (Type 4)。

負荷後の3 群比較では、プラセボ負荷後、曝露1負荷後、曝露2 負荷後の症状の強さを比較すると、3 群間に症状の強さの違いは認められなかった。
・ 症例8について
プラセボ負荷前後では、負荷後、有意な症状の増強が認められた(p=0.046)。

この被験者では、症例7 と同様、プラセボのみで症状が強くなるパターンを呈している (Type 4)。

負荷後の3 群比較では、プラセボ負荷後、曝露1 負荷後、曝露2 負荷後の症状の強さを比較すると、3 群間に症状の強さの違いは認められなかった。
・症例9について
プラセボ負荷前後、曝露2負荷前後では、症状の強さに有意な差は認められなかった。

曝露1 負荷前後の比較では、曝露後に有意な症状の変動が認められた(p=0.001)(不完全なType 1)。

プラセボ負荷後、曝露1負荷後、曝露2 負荷後の症状の強さを比較すると、Freidman 検定では、3 群間に有意の差が認められていた(p=0.0000004)。ボンフェローニの不等式で訂正しても、有意差が認められ、プラセボ負荷後は、他の2つの曝露負荷後に比べ、症状が強いことが認められた。

ただし、この結果は負荷前の状態を反映しているものと考えられ、考慮出来ない結果と判断された。


表1



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