超低周波電磁界に関する環境保健クライテリア(抜粋) | 化学物質過敏症 runのブログ

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今回は一部のみの掲載です、WHOが電磁波過敏症について言及している部分のみです。

全文はとても長い上に表などが多く編集が多くなるので次の機会にします。


出典:環境省HP
http://www.env.go.jp/index.html


・超低周波電磁界に関する環境保健クライテリア(世界保健機関)〔和訳〕
http://www.env.go.jp/chemi/electric/material/ehc238_j/index.html
より抜粋

5.2.7 過敏症
勧告されているばく露制限値よりも遙かに低い電磁界に対する感受性の増加を示す人々がいることが示唆されている。

自ら感受性を報告する人々は、不眠症、疲労感、集中の妨害、目眩、目の疲れを含む、広範囲の耐え難く衰弱させる症状を経験することがある。

極端な症状では、日常生活が困難になることがある。

特に外観に現れる湿疹および痒みやほてりのような多くの皮膚障害が報告されている。

また、はっきりとした症状はないが(Hillert 等、2002)、化学物質やその他の要因に対して感受性が増加する(Levallois 等、2002)ことがあると報告されている。

電磁界に対する反応は、通常それを感知するのに必要と考えられる大きさを下回る電磁界 強度のオーダーで生じることが報告されている(Silny、1999)。これらのデータはBergquvist とVogel(1997)が、より最近ではLevallois(2002)、ICNIRP(2003)およびRubin 等(2005)がレビューしている。
逸話的な報告と対照的に、二重盲検法による研究から得られた証拠(Andersson 等、1996;Flodin、Seneby およびTegenfeldt、2000;Lonne-Rahm 等、2000;Lyskov、Sandström およびHansson Mild、2001b;Swanbeck およびBleeker、1989)は、健康なボランティアも過敏症を自ら報告している人も、実際のばく露と偽ばく露を見分けることができない、ということを示唆している。

更に、自覚症状とストレス関連ホルモンおよび炎症性伝達物質の循環レベルは、電磁界ばく露に関連し得ない。

事務員についても同様の結果が報告されている(Arnetz、1997)。Keisu(1996)およびToomingas(1996)の研究では、個人に対する試験の結果を患者の医療処置において治療法的に用いて報告している。

これらの一連の研究のいずれにおいても、ばく露と症状の関連の再現性はなかった。

再現性のないRea 等(1991)の研究(下記参照)を含め、スウェーデン、イギリス、ドイツで更なる研究が実施されているが、査読を受けた形では公表されていない。

レビューとしては、Bergquist およびVogel(1997)を参照されたい。

これらの結果は、Gothe、 Odoni およびNilsson(1995)が示唆している、電磁界に対する過敏性は心身症候群であるという見解と一致している。
但し、全ての研究が電磁界過敏症の可能性を否定しているわけではない。

2 編の研究が電磁界の認知に関する弱い陽性の結果を報告しており(Mueller、Krueger およびSchierz、2002;Rea 等、1991)、別の2 編の研究は、心拍、視覚誘導電位、網膜電図振幅および電気的活動で、健康なボランティアと過敏症のボランティアの間に僅かな違いがあると報告している(Lyskov、Sandström およびHansson Mild、2001a;Sandström 等、1997)。

しかしながら、Rea 等(1991)による研究では、個人の選択、ばく露状況および盲検法で試験しているかどうかといった方法論的な基礎に関して批判されている(ICNIRP、2003)。

顔面真皮内マスト細胞の数と分布が、過敏症反応を示す個人で増加する可能性を示唆する、幾つかの組織学的な証拠がある(GangiおよびJohansson、2000;Johansson 等、1994;Johansson、Hilliges およびHan、1996)。
反応性の増加は、ヒスタミン、ソマトスタチンおよび炎症性のペプチドの発現の変化によるものであった。

真皮中における類似の影響は、引き続き実施された通常の健康なボランティアにおける、画像表示端末(VDU)型界での刺激試験の結果でも報告されている(Johansson 等、2001)。
電磁界過敏症に関する世界保健機関(WHO)のワークショップが、2004 年10 月にプラハで開催された(WHO、2005)。

症状を繰り返し、様々な因子に関連する過敏症は、電磁界に帰せられる「本態性環境非寛容症(IEI)」と命名されるべきであると提案された。

このワークショップでは、IEI が人々に有害な影響を及ぼす類似の非特異的な症状が混ざったものであり、人々の職業的、社会的および個人生活を妨げるものであると結論付けた。

これらの症状は、従来の医学、精神医学、心理学で説明できる障害ではなく、IEI という用語は医学診断では意味をなさない。

IEI の人とそうでない人を判別することは不可能であり、良く制御された二重盲検研究の結果では、一貫してそれらの症状が電磁界ばく露そのものとは関連していないことが示されている。