――成分表示がされていないということと同様に、自分を含めた消費者がそれを無意識に購入していることにも怖さを感じます。
渡辺 現在の消費者は、あまりにも多くの化学物質に囲まれて生活しているので、感覚が麻痺しているのでしょう。
お風呂用、台所用、床用と成分はほどんど変わらないのに、次から次へと商品が発売され、CMにより無意識のうちに手にしている人が多いのではないでしょうか。
しかし、化学物質は確実に現代人を蝕んでいるのです。
例えば、現代病の一つである花粉症は、花粉と化学物質が相乗的に作用して、アレルギーを引き起こしていると言われています。
なので、アレルギーを防ごうとして除菌剤で消毒しているつもりでも、その化学物質でアレルギーを悪化させている、というケースも起こりうるんです。
――消費者意識が高まっていくのはもちろんですが、作っているメーカーは今後どうなっていくべきなんでしょう?
渡辺 企業は物を売って利益を上げることを目的とするのは当然でしょうが、だからといって、不必要なものを買わせたり、害になるものを平気で売ったりするのはどうでしょうか?
お金をとって売るからには最低限、顧客に利益をもたらすものを売るべきだと思うんです。
生活用品メーカーの中には『あったらいいな』という発想から、隙間的なニーズの商品を開発するのを得意なところもあります。
でも、よく考えてみたら、『あったらいいもの=なくてもかまわないもの』なわけです。
不必要な物を買わせるために、大量のCMを流して、これは必要だ、便利だと消費者を洗脳しているのだから恐ろしいことです。
もちろん、今回『ファブリーズはいらない』の中で取り上げたメーカーの中にも、最近、表向きには環境に配慮を始めている企業もあります。
車だってハイブリッド仕様や電気自動車が注目をされてきているように、生活用品も環境に配慮したものが選ばれるようになる時代は遠くないかもしれません。
誰も買わないものは淘汰されます。
だからこそ、安全性を確認した上で、それが本当に必要なものかを見極め、不要なものは買わないことで、これらの有害な商品たちに対抗していくしかないでしょう。
渡辺雄二(わたなべ・ゆうじ)
科学ジャーナリスト。1954年生まれ、栃木県出身。千葉大学工学部合成化学科卒。消費生活問題専門紙の記者を経て、82年よりフリーの科学ジャーナリストに。以後、食品、環境、医療、バイオテクノロジーなどの問題を「朝日ジャーナル」「週刊金曜日」「中央公論」「世界」などに寄稿。特に、合成洗剤、食品添加物、ダイオキシンなどの化学物質の毒性の問題に詳しく、講演なども多数。著書に『買ってはいけない』(共著、金曜日)、『食卓の化学毒物事典』(三一書房)、『食品添加物の毒性判定事典』(メタモル出版)、『あぶない抗菌・防虫グッズ』(青木書店)、『ヤマザキパンはなぜカビないか』『花王「アタック」はシャツを白く染める』(緑風書房)などがある。
※画像は『ファブリーズはいらない』/緑風出版
runより:ひっどい話だと思いますねぇ(´_`。)
日頃楽をしたいという希望を健康と引き換えにして実現させた物ですね。
ちなみに『ヤマザキパンはなぜカビないか』という本があるそうですがマクドナルドのマックフライドポテトもカビません。
揚げ油に添加物が色々入っているそうです。
好きなんだけど食べれなくなりましたよ(-。-;)