化学物質の毒性、副作用、リスクってなんだろう?2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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では次に、この「用量(Dose)、曝露量(Exposure)」を決定付けるものはなんなのでしょうか?

 これは、薬と医療の世界であれば、医師が決める「薬の投与量」と同義ですから議論が比較的簡単なのですが、普段生活する中の環境や工業製品・食品からの化学物質となると、かなり複雑かつ広範な話になります。

複雑かつ広範な話のポイントを絞ると、「議論の対象とする化学物質はなにか?」「化学物質の源と接触までの経路は、どういうものか?」という、2つ質問を突き詰めれば解決します(図1左側記載参照)。

つまり、自分が気になる化学物質を決めれば、その物質の特性はインターネットを少し調べるだけで分かります。

日々生活の中で遭遇する化学物質は既に知られているものが多いので、その特性も調べやすく、蒸気や液体になる温度、水に溶けやすい性質、他の物質と反応しやすい性質などが明らかになります。
 化学物質の特性が分かれば、更に、どのような所で利用され、どのような経路で自分の体内に入る可能性があるのかという、源と経路の調査・推察ができます。

例えば、水に溶けやすい物質であれば、周囲の河川にも溶け込んでいて、自分が使う水道水を飲むことから体内に入る可能性があるとか、金属物質であれば土に吸着しやすい特性があるので、公園やアウトドアでの外出での皮膚接触または土で育てられる野菜食品を食べることから体内に入る可能性がある、といった具合です。

この源と経路によって、自分の体内に入る化学物質の「用量(Dose)、曝露量(Exposure)」は、だいぶ変わります。

家の外からやってくる化学物質であれば、自分の体に到達するまでにさまざまな経路を辿り(土に吸着したり、水に溶けたり、皮膚や口を経由して)ますので、相当な汚染事故がない限り、高い量の化学物質が体内に入ってくることはないでしょう。

そう考えると、その化学物質が微量であっても「毒」となる可能性があるのかどうかが大事な命題になりますし、現代においては、家の中で利用する工業製品や食品の化学物質の「用量(Dose)、曝露量(Exposure)」の方が高い量があるだろうと思いますので、大きな問題だろうと思います。
 次に、みなさまにぜひ覚えて頂きたい第2のポイントは、化学物質の特性、源と接触までの経路によって、体内に入ってくる量は大きく変わるということです。

昨今の福島原発事故における放射性物質の状況もこのような科学的な目で議論を見守り、冷静かつ迅速に良い対応策を考える必要があるでしょう。