知りたい知らない電磁波7 | 化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 電磁波過敏症 シックスクール問題を中心としたブログです

・<第7回>2003.12.19(489号)


自然界にない電磁波をつくり、被曝している私たち。安全性を問い直してみませんか。今週で最終回てす。

「便利」だったらいいの?すぐにでも信頼できる影響研究を
 今年の夏、各紙に「電磁波過敏症」のことが初めて大きく紹介されました。

携帯電話で脳内血流が低下することが明らかになり、それが電磁波過敏症の原因の一つではないかというのです。

化学物質過敏症に関しては、ようやく日本でも規制され始めていますが、電磁波は厚生労働省、環境省の管轄に含まれていないそうですから、今後どのように取り扱われるでしょうか。
 電磁波による影響の研究には、経済産業省や総務省が費用を出しているようです。

しかし、私からみて、どちらも「電磁波推進派」、少なくとも「利害関係から独立した研究機関」とは思えないところでばかり行なわれていることが多いのです。こういう研究は、資金を提供したところから、どれだけ独立して研究が行なわれるがが重要な問題になります。

この10月10日、総務省の生体電磁環境研究推進委員会(委員長は上野照剛・東京大学教授)から「携帯電話の電磁波は安全」との発表がありました。

どこが中心になってどのように研究されたのか、実験メンバーさえまったくわかりません。

委員会の偉い先生方が決めているのだから、とにかく「信用しなさい」というわけです。

メディアはそのまま総務省のいいなりに報道しました。
 しかし、同じ案件ではわずか50匹ずつのラットの実験で、どうして「影響がなかった」といえるのでしょう。

その上、被曝しなかったラットも被曝したラットも、どちらも大多数が死亡しています。差が出なくても不思議ではないのです。

一連の実験結果から「危険だ」といえる点も多いのですが、委員会はアレコレ理由をつけて「影響がない」という結論を誘導したとしか恩えません。
 一方、国立環境研究所が中心となって行なった「電磁場被曝と小児ガン」研究は、今年6月に「危険だ」との結果を発表しましたが、それに対して「期待がはずれた」側は研究に最低評価を下し、「信用できない」研究としてほうむりさったと私は考えています。

世界中で行なわれていた疫学研究結果を追認し、さらに貴重な新事実を明らかにした優れた研究だったのですが、多くのメディアもその結果を報道しませんでした。
 12月からは一部地域で地上デジタル放送が始まりました。

その電磁波の影響を日本はどこまで真面自に研究しているでしょうか。

膨大な利益を上げているはずの関連企業が、安全性の研究にどれだけ投資しているかを示す資料を私は見たことがありません。

「国にまかせている」というのならば、まさに責任放棄です。

生物は進化の過程で自然界の電磁波を利用し、それに順応してきたはずです。

ところが、人間は利用することばかりに熱心で、ついに自然界に存在しないデジタル波やパルス波まで使い始めているのです。
「個体発生は系統発生を繰り返す」というテーゼ(命題)があります。

たとえば海で発生した生物が陸ヘ上陸したことを、哺乳類は胎内を海として再経験しているというのです。

電磁波には静磁気からγ(ガンマ)線までありますが、その中間の太陽光線を利用して進化してきた人類が一部紫外線の増加におののいているのも進化過程で経験がない環境変化に対応できないためです。

核問題も医療X線も地球温暖北も、この電磁波も、「地球環境問題」なのです。
 WHO(世界保健機関)の新しいクライテリア(環境健康規準)が、「予防原則」と「電磁波過敏症」にどう対応するかに注目が集まっています。

低周波に関するクライテリアの発表は、延期されて来年になりました。

高周波のクライテリアは2006年に発表の予定ですが延びることでしょう。

一方で電磁波利用は拡大するばかりです。

規準は「リスク(危険)とベネフィット(便益)のバランスで決まる傾向があります。

遅れるほど基準は甘くなるでしょう。
 私たちは、便利で楽しい生活に酔いしれていてよいのでしょうか。

電磁波問題は、そのことを根底から問いかけているのではないでしょうか。

長引く不景気のためもあってか、安全/環境問題への熱気が弱くなってきているように思います。

こんな時こそ、1000年、万年のスケールで、人類の未来を考える必要があるのではないでしょうか。(おわり)