飲酒とアセトアルデヒド8 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・6.アルコールと血小板凝集能
 適度のアルコールの摂取(適度な飲酒)は、プロスタサイクリン/トロンボキサン(PGI2/TXA2比)の比を増大させ、血小板凝集能を低下させたり、アスピリンによる出血時間を延長させる。
 また、適度な飲酒は、HDLを増加させ、動脈硬化を予防する。

 しかし、大量、長期の飲酒は、弊害が多い。

毎日飲酒するアルコール量が多い程、血圧が高くなる。
 アルコール多飲(飲酒)は、肝臓でのVLDL合成を促進させ、脂肪肝、V型高脂血症を来たす。

 
 8肝硬変.
 肝硬変では、肝臓は、肝細胞壊死により、線維が増生し(肝線維症:肝繊維症)、残存した肝細胞が強く再生し、線維で囲まれた種々の大きさの肝細胞の塊(再生結節:中心静脈が存在する)を形成している。
 肝硬変(Liver cirrhosis)のcirrhosisと言う言葉は、ギリシャ語のkirrhosis(橙黄色の意味)に由来している。
 肝硬変では、易疲労感、全身倦怠感、食欲不振、腹痛などの自覚症状が現れる。

 肝硬変は、アルコールの過剰摂取、ウイルス性肝炎(B型)などが、原因で起こることが多い。
 アルコール性肝硬変は、アルコールの直接的肝障害作用(アルデヒドの細胞障害作用)により肝細胞が障害されるのが、一次的原因で起こる。

また、栄養障害(ビタミン類や蛋白質摂取の不足)は、アルコールの肝障害作用を促進させる。


 飲んだアルコールの総量が多い程、肝硬変に罹り易くなる。1日平均160g以上15年間飲み続けると、約80%の症例は、アルコール性肝炎やアルコール性肝硬変になる。アルコール性肝硬変は、脂肪肝を伴なうことが多い。

 肝硬変で肝機能がかなり低下すると(非代償期)、黄疸、腹水、浮腫、精神症状、出血傾向など、重篤な症状が見られる。
 浮腫や腹水は、肝機能障害の為、肝臓でのアルブミン生成が低下し、低アルブミン血症になり、血漿膠質浸透圧が低下し、門脈圧が上昇し、肝リンパが漏出することが主因で起こる。

さらに、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAA系)の活性亢進による二次性高アルドステロン血症や、近位尿細管でのNa再吸収増加により、浮腫や腹水が増悪する。肝臓は、アルブミンを、1日10~15g生成する。

血清アルブミンが3.5g/dl以下に低下すると、腹水、下腿の浮腫(むくみ)が現れる。
 出血傾向は、肝臓での凝固因子の生成が低下することが原因で起こる。肝硬変では、食道静脈瘤や、胃・十二指潰瘍から出血することも、多い(貧血や、黒色便が見られる)。
 皮膚は、黄疸に加え、メラノーシスの為に黒色調を帯び、くも状血管拡張、手掌紅斑が見られる。

肝硬変で見られる手掌紅斑は、手の辺縁部や指は、潮斑が見られるが、手の中心部は、潮斑が薄い。