・しかし、少なくともこれだけははっきりといえる。電磁波の危険性とは、つまるところ被曝量x被曝時間の問題なのである。
被曝量ということでは、電磁波の発生源がら少しでも遠ざかれば、危険は大きく減少する。
時間については、電磁波を浴びている時間を毎日わずかでも滅らすことで、年間を通してのリスクはかなり軽減するような基本的な危険回避の正しい知識を持つことこそが、なによりも重要なのだ。
無知もいけないが、危険を煽るだけの偏った知識も危険であり、科学的な態度で電磁波と向き合うべきなのである。
そして次に必要なことは、国や電力会社に対して、情報公開を求めていくことだろう。
冒頭で紹介したように、この国の官僚たちはいまだに隠蔽体質から完全に脱してはいない。
それを打ち破るためには、私たち国民自身が自らの身を守る強い意志を持ち、国に対して情報の公開を求める声をより大きなものにしていく必要があるのだ。
あなたの住んでいる街の名前が新たな日本の○○通りの災厄にならないようにすること--そのためにはは、ひとりひとりが電磁波の危険性について、正しい知識を身につけていく以外に方法はないのである。
<中継基地局からの電磁波規制と高周波の規制値について>
スイス:4.2マイクロW/cm2(電力密度)または4.0V/m(電場強度)
イタリア:10マイクロW/cm2(ただし自治体は2.5マイクロW/cm2
ロシア:2.4マイクロW/cm2または3.0V/m
中国:6.611W/cm2または5.0V/m
ICNIRPl:450マイクロW/cm2
日本:1ミリW/cm2(1000マイクロW/cm2)
ザルツブルク:0.1マイクロW/cm2(オーストリア;提案中)
フオローゲン州:0.001マイクロW/cm2(オーストラリア;提案中)
携帯電話の電波による電磁波については、各国が規制を設けている.注目してほしいのは、日本における基準数値の甘さだ。
見て明らかなように、ひと桁どころか、単位そのものが異なっていることがわかる。
私たちは常に、これだけ強い電磁波にさらされているのだ。
<主な家電の電磁波の強さ>
エアコン:20ミリガウス
カラーテレビ:20ミリガウス
電子レンジ:200ミリガウス
携帯電話:200ミリガウス
ヘアドライヤー:70ミリガウス
ビデオ:6ミリガウス
掃除機:200ミリガウス
ホットカーペット:30ミリガウス
電気こたつ:100ミリガウス
ある計測による、おもな家電の電磁波の強さ。
文中でも触れているように、測定状況によって数値は異なるので、あくまでも目安として見てもらいたい。
しかし、家庭のなかで無数の電磁波が飛び交っていることは間違いないのだ。