・一般演題
食物アレルギー・他①-2
座長:小倉由紀子(国立病院機構高知病院アレルギー科(小児科))
P140.口腔アレルギー症候群を呈する手術患者におけるラテックス特異的IgE抗体の検討
下雅意学1) 池田浩己2) 伊良波浩1) 畑埜義雄3) 榎本雅夫2)
日本赤十字社和歌山医療センター麻酔科1) 日本赤十字社和歌山医療センター耳鼻咽喉科2) 和歌山県立医科大学麻酔科3)
--------------------------------------------------------------------------------
【はじめに】口腔アレルギー症候群(以下OAS)の患者にラテックスアレルギーを起こす事が知られている.
今回我々は術前の問診にてOASが疑われた患者に対し,ラテックス特異的IgEを測定したので報告する.
【対象・方法】2004年2月から2006年8月の期間に,全身麻酔下手術患者の問診表で食物摂取時の口腔内症状を有すると答えた76人を対象とした.
術前にラテックス製品による皮膚症状の有無の問診と,食物アレルゲンの抗体価をキャップRASTで測定した.
【結果】ラテックス特異的IgEが疑陽性以上であったのは9例(12%)であり,ラテックス製品による皮膚症状を呈した症例は1例であった.
何らかの食物アレルゲンの抗体価が陽性であったのは18例(23.6%)でありバナナ,トマト,セロリなどが上位であった.
【考察】ラテックスに対する皮膚反応が無くても,フルーツに関するOAS患者は,将来ラテックスアレルギーを呈する危険性が示唆された.
周術期において特にバナナ,トマトに対するOASを呈する患者は,ラテックスセーフティーの環境を準備する事が重要である.
第19回日本アレルギー学会春季臨床大会 2007年6月開催