職業病としてのゴム手袋アレルギー2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・チウラム類のなかで TETD が最強のアレルゲンであったという結果は他の報告とも一致した.

一方, チウラム類アレルギー患者の多くは TETD のみでなく他のチウラム類にも反応したとの報告があり, 実際にゴム製造業者はチウラム類の混合物を繁用している.

調査結果では有意ではないものの2000年と比較して2001年に陽性率が増加した.

今後の推移を慎重に見守る必要がある. 陽性率の反転理由として, 多くの病院で安価な無名メーカーのゴム手袋が大量に使用され, これらの製造工程においてチウラム類による加硫促進過程が採用されているのではないかと推測される.
 ジチオカルバミン酸塩類と MBT 誘導体の陽性率は高くなく, 商品の成分リストではこれらの加硫促進剤の使用頻度が増しているにもかかわらず, 年次増加傾向も示されなかった.

これらの化合物がゴムから遊離し難いか, 本当に感作惹起能が低いかのいずれかであろう.

最近行われたマウス局所リンパ節アッセイ (LLNA) およびマキシミゼィション試験では, これら2つの化合物グループに属する種々の物質の感作惹起能は多岐にわたっていることがわかった.
 著者らの結果から, ゴムアレルゲンの構造活性関係を検討することが可能かもしれない.

チウラム類のなかではテトラブチルチウラム二硫化物が, ジチオカルバミン酸塩類のなかではジブチルジチオカルバミン酸亜鉛がアレルゲン活性が低い.

これらは長いあるいは大きい鎖を有しており, この構造特性が影響しているからかもしれない.

Geier J1, Lessmann H1, Uter W2, Schnuch A1
(1 Göttingen 大学 皮膚科学科情報ネットワーク, 2 Erlangen-Nuremberg 大学 医療情報科学, 生物統計学, 疫学科, Erlangen, Germany)


runより:現在はラテックスアレルギーと呼ばれており口腔アレルギーと併発しやすい傾向があります。