子どもの健康と室内空気中化学物質対策2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・4.シックスクール問題は何故おきるのか

シックスクール問題の発生の背景には以下の要因が考えられる。

1:戦後新築され、耐用年数に達した校舎の建て替え(新築)。

2:生徒数の減少による小・中学校の統廃合による増改築(リフォーム)。

3:耐震補強工事の施行(リフォーム)。

4:騒音防止、大気汚染防止、省エネのためのサッシ窓の使用による換気回数の減少(換気不良)。

5:ゆとり教育、情報教育のための新規の教育設備、教材購入(新規購入)。

6:アレルギー性疾患を持つ子供の増加や化学物質に過敏な子どもの増加の可能性(感受性)

 このように、いずれもシックハウス症候群の発生しやすい状況に似ている。実例をみると、ほとんどが新築、改修後のホルムアルデヒド、トルエンの濃度が高かったことが主な原因とみられ、東京都の調査では、普通教室に比較して特別教室(音楽室、コンピュータ室など)の各種化学物質の室内濃度が高い。

一旦症状が出現しても、化学物質濃度が下がれば症状が消失する児童がほとんどであるが、いわゆるより微量な化学物質に反応する化学物質過敏症に移行し、重症例では登校不能になったりする例があり、取り返しのつかないことになる。保育園や学校管理者は、化学物質濃度が基準を超えている場合は決して甘くみてはいけない。


5.シックスクール問題を起こさないために

 シックスクール問題の予防と対策は、新築・改築による建材からの高濃度の化学物質の揮散、換気不良などの住まい方、および子どもの感受性の3つの面から考えると良い。

平成14年の「学校環境衛生の基準」の改訂で、新築・改築・改修を行った際には、ホルムアルデヒド及び揮発性有機化合物の濃度が基準値以下であることを確認した上で、建物の引き渡しを行うことなどを規定した。

また夏の気温上昇、特別教室などの換気不良、エアコンの使用などによって室内の化学物質濃度は上昇することを認識しておくべきである。

埼玉県教育委員会のマニュアルでは、児童生徒からの訴えや相談があった時の対応も詳細に触れている。まず、1体調不良を訴える者に医療機関の受診を勧める、2体調不良発生の経緯等を確認する、3学校医、学校薬剤師の指導・助言を受ける、4原因を調査するとともに教室等の環境衛生検査を行う、と規定している。

また化学物質に過敏に反応する児童生徒の入学(転入)時の対応のフローチャートを示している。

要は化学物質に過敏に反応する児童生徒がいることを関係者が十分理解することが、シックスクール問題の予防・対策の第一歩となることを理解していただきたいと思う。


runより:シックスクールを防ぐ、小規模で済ませるには何と言っても理解です。