緊急時に20倍甘くなる基準値とは?3 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・放射線はどこまでなら安全?
 そもそも放射線は遺伝子を傷つけることによる発がん作用を持っている。

その影響には、それ以下ならば影響が出ないという安全量は設定できないということになっている。
 ICRPでは、1000ミリシーベルトの放射線の被ばくによって生涯にわたってがんによる死亡リスクが5%上がるとしている(100人の内5人が被ばくが原因でガンになり死亡するということ)。

この数値から低い被ばく量へ下げていって、100ミリシーベルトでは0.5%(1000人に5人)、10ミリシーベルトでは0.05%(1万人に5人)というリスクになる。
 100ミリシーベルト以下のリスクを、実際のヒトを対象にした疫学調査で調べるには膨大な数の人たちを観察する必要があり現実的には難しい。

そのため100ミリシーベルト以下のリスクはそれより高い被ばく量でのリスクから推定したものだ。
 テレビの専門家が「100ミリシーベルト以下なら将来のがんの心配もなし」と言っているのはこのことが根拠になっている。

しかし、観察されていないということと危険性が無いということは別問題だ。
ICRPでさえ放射線の発がん性にこの値以下なら安全といえる閾値はないということを前提にしている。

平常時での年間1ミリシーベルトという規制値も、技術的に可能な範囲でできるだけ低い方がよいという考え方に基づいたものだ。
 規制緩和され原発周辺の住民が1年間20ミリシーベルトの放射線を被ばくした場合、その後のがんリスクは0.1%(1000人に1人)上がることになる。
また食品の場合規制値ギリギリの食品を1年間食べ続けた場合の被ばく量は17ミリシーベルト。

0.085%(1176人に1人)のリスクになる。
 今回の原発の事故はわれわれに対して、そういうリスクを負わせるものだということを情報として出しておく必要がある。
(注1)毎日新聞2011年3月26日
( 注2)http://www.kokumin-kaigi.org/kokumin02.html
追記)食品安全委員会は、4月21日から放射性物質の詳細なリスク評価にようやく着手することになった。

放射線の発がん性がどのように評価されるのか注意が必要だ