・シンポジウム4
食物アレルギーの患者に優しい医療
司会者:海老澤元宏1), 向山徳子2)(国立病院機構相模原病院臨床研究センターアレルギー性疾患研究部1), 同愛記念病院小児科2))
S4-3.栄養学的見地からみた食物アレルギーの治療
伊藤節子
同志社女子大学生活科学部食物栄養科学科
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食物アレルギーの治療は,他のアレルギー性疾患と同様,原因の回避が原則であり,正しい抗原診断に基づく必要最小限の食品除去が基本となる.
栄養面への配慮と患児および家族のQOLの維持のためには,食品除去の目的は症状をおこさずに「食べること」であることを念頭において必要最小限の食品除去を行うことが大切である.
食物アレルギーにより発現した症状は多くの小児にとり生涯で最初に経験するアレルギー症状であり,乳児期における経過がその後のアレルギーマーチの進展に及ぼす影響が大きく,必要最小限の食品除去も含めた適切な食事指導の重要性が示唆されているが,一方,この時期における過度の食品除去により非常に過敏性の高い状態になり,除去解除に難渋する児も経験されている.これらのことを踏まえて,本シンポジウムでは食物アレルギー児および家族のQOLの向上と児の栄養面にも配慮した
1.食物アレルギー乳児における離乳食の進め方
2.「食べること」を目指したアレルゲン除去食の基本的な考え方
3.食品中のアレルゲンの評価法
4.アレルゲン除去食の作り方の基本と低アレルゲン化のための調理上の工夫について述べることにする.
第21回日本アレルギー学会春季臨床大会 2009年6月開催