余剰水銀の環境的に適切な管理4 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・実施戦略

 しかし、そのようなコンセプトの完全な実施はある時間が必要なので、暫定的な措置が必要であろう。

それらには、金属水銀、水銀化合物、及び安定化水銀の管理のための暫定的な保管施設が含まれる。

過渡的期間に、この地域で保管、処理、処分のための施設が利用可能ではない場合、この地域の外で保管と処分のために金属水銀と水銀化合物の輸出はひとつの選択肢かもしれない。

その実施は次の3段階からなるであろう。

第一段階:上述した分野における状況を改善し、必要な情報を収集すること。分離収集スキームを改善し、金属水銀、水銀化合物、及び水銀含有廃棄物のための仮保管施設を利用可能にすること。

仮保管施設は、国家レベルで利用可能な既存の有害廃棄物処理施設とすることができる。

この地域の金属水銀、水銀化合物、及び水銀含有廃棄物の処理(化学的変換/純度向上/安定化)の可能性を精査すること。

もし、処理設備がこの地域で利用可能でないなら、余剰金属水銀と水銀化合物を暫定的に保管すること。もしそのような保管がまだ実施可能でないなら、地域外の国での処分のために輸出することもひとつの選択肢かもしれない。

第ニ段階:もし処理施設が存在するなら、水銀を抽出し安定化すること。

処分施設が利用可能でない場合には、安定化した水銀と水銀廃棄物を暫定保管すること。

第三段階:地域内の適切な施設で、水銀を収集、抽出、安定化、そして処分を行なうこと。

もし、汚染者負担原則が余剰水銀に適用されるなら、亜鉛精錬や金採鉱などにおける副産物としての水銀及び水銀化合物の製造者(ほとんどは産業)は余剰水銀の管理のコストを負担しなくてはならないことになるであろう。

 提案される戦略は、入手可能な技術的コンセプト経験に基づいており、この地域における水銀と水銀廃棄物の環境的に適切な管理に向けて実施可能な道を開くであろう。


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脚注1:Concorde (2009) Assessment of excess mercury in Asia, 2010-2050

脚注2:処分(disposal)という用語は廃棄物であるとみなされる水銀にのみ適用する。

「有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約」は、処分(disposal)を本条約のAnnex IVで特定されている作業であると定義している。

処分にはふたつのタイプの処分がある。

Annex IV A は、資源回収、再生利用、回収利用、直接再利用又は代替的利用の可能性に結びつかない作業をカバーする。

Annex IV Bにリストされている第ニのグループは、資源回収、再生利用、回収利用、直接再利用又は代替的利用に結びつく作業である。

要約すると処分は、それらの破壊、埋立、環境中への放出、再生利用又は再利用に結びつく活動であると理解される。

バーゼル条約は、長期又は無期限の廃棄物保管については言及しておらず、処分まで(Annex IV A)まで又は再生利用/再利用のための(仮)保管についてのみ言及している。