・長時間作用性刺激薬β2刺激薬
気管支平滑筋のβ2受容体を刺激することによって収縮した気管支平滑筋の緊張を和らげる作用をもつ薬剤で、従来の短時間作用型β2刺激薬の作用時間が6~8時間程度であったのに対し、より長時間作用する。セルベントR(吸入薬)は12時間ごと、ホクナリンテープR(貼付薬)は24時間ごとに使用する。発作予防のコントローラーとして、抗炎症作用のある吸入ステロイド薬などと併用して使用する。長時間作用型β2刺激薬には抗炎症効果はないので単独で長期管理薬として使用しない。
セルベントRは気管支拡張効果が出てくるまでに時間がかかるので、急性発作の治療には使用しない。指示に従い、規則正しく吸入する。
ホクナリンテープRは貼付してから4時間後ぐらいから気管支拡張効果が得られるようになる。効果が出るまで時間がかかるので、急性発作の頓用薬としては向かない。
経口薬のスピロペントR、メプチンR、アトックR、ホクナリンRなどは比較的長時間作用性で、コントローラーとして使用されることがある。
チリダニ
室内のチリや布団、じゅうたん、ソファの中などに生息している体長0.3mm前後のダニで、人を刺したりしないが、そのふんや死がいがぜん息やアレルギー性鼻炎の主な原因となっている。 チリダニの最も繁殖しやすい条件は、室温25℃前後、相対湿度75%前後である。
乾燥や加熱、0℃以下の低温、えさとなるカビやフケの除去は、チリダニの増殖を抑制あるいは殺ダニする効果がある。しかし、チリダニの薬物処理による殺ダニについては、現状では、十分な評価に堪える有効で安全な薬剤はないとされている。
て
テオフィリン薬
気管支拡張剤の一種で、内服薬(徐放薬:テオドールR、テオロングR、スロービッドR、ユニフィルRなど、速効剤:ネオフィリンR、テオコリンRなど)、注射薬(ネオフィリンR、テオフィリンドリップR)、坐薬(アルビナR)がある。副作用として発疹やかゆみ、はき気、嘔吐、けいれんが起こる場合があるので、使用にあたっては血中濃度をモニターすることが望ましい。
と
トロンボキサン
アラキドン酸より生合成される生理活性物質。トロンボキサンA2には気道過敏性形成に強く関与するとされる。
トロンボキサン阻害薬
抗アレルギー薬。トロンボキサンA2の産生を抑えるトロンボキサンA2合成酵素阻害薬(ドメナンR、ベガR)と、トロンボキサンA2の作用を抑えるトロンボキサンA2合成酵素拮抗薬(ブロニカRなど)の2種類があり、気道過敏性が亢進した状態を改善する。
な行
ね
ネブライザー
気道に湿気あるいは薬液を供給する目的で用いられる噴霧器。
家庭で使用できるものに、電動加圧式と超音波式、超音波式の亜系ともいえるメッシュ式がある。電動加圧式は少々重くて音が大きいが、霧の粒子が大小混ざって気管支粘膜に付着しやすく、少量の薬でも使えるので幼児にも扱いやすい。超音波式は薬剤の変性、濃度変化、少量では使いにくいなども問題点があり、ぜん息の治療に用いるのは一般的に適していない。
は行
は
肺機能検査
肺機能は換気機能とガス交換機能に大別され、これらの生理的機能を臨床的に評価する検査法。ぜん息では、肺機能検査によって発作の程度やぜん息の重症度、経過の観察、薬物療法の効果などを客観的に知ることができる。呼吸機能検査ともいう。